デス・ウィッシュ

【作品情報】2018年 アメリカ 監督: イーライ・ロス


【あらすじ】

 凶悪犯罪はびこるシカゴの街で暮らす外科医のポール・カージーは、愛する妻と娘の3人で幸せな日々を送っていた。ある日、自宅に強盗が押し入り、妻は殺害され、娘は意識不明の重体に陥る。


 警察の捜査は進まず、犯人を捜し出すことはできない。善良な市民が殺され、悪人の命を救わなければならない現実にポールは疑問を持ち始める。


 ポールは銃を手に復讐を始める。テレビでは悪人を始末する顔の見えない男を”死神”と呼び始める。ポールに警察の手が伸びる頃、彼は愛する者を奪った犯人に辿り着こうとしていた。壮絶な復讐の行方は?


【見どころ】

 ストーリーはごくシンプルで、家族を殺された医師が復讐に立ち上がる物語。主人公の医師をブルース・ウィリスが演じているのが興味深い。「ダイ・ハード」で絶対に死なないタフガイだった彼が銃の扱いを勉強し、訓練する様はなかなか面白い絵面だ。


 黒いフードをかぶり、街の悪者を始末していく姿は痛快でもある。警察と犯人の両方に追われ、復讐に駆られた医師はどういう運命を辿るのか、最後まで目が離せない。


【感想】※ネタバレ含

「ホステル」「グリーンインフェルノ」の監督の名前にどれほどグロテスクな場面が登場するのか、と思いきや意外と大人しかった。でもここが撮りたかったんだろうな、という渾身のグロシーンは車体プレス。あんなに中身が出るのか。


 壮年のブルース・ウィリスの落ち着いた魅力もなかなか良い。叫びながら銃を撃ちまくる姿が印象的なだけに、今回の役柄はギャップが面白かった。


 リベンジものというと、愛する家族や恋人への残虐な仕打ちが冒頭シーンにあるのが定石で、実はそのような描写はすごく苦手なのだが、この作品はそこまでエグくなかったので安心できた(妻は殺害なので充分ひどいけど)が、幸せな家族が不幸のどん底に落ちる様子はしっかり描かれていたのでその後の復讐劇も生きている。


 ラストの”死神”を追っていた刑事がポールが正体であると分かりながら、ピザを口に放り込んで彼を見逃すシーンは良かった。

 名作とはいかず、良作という感じ。渋いブルース・ウィリスが観たいならオススメ。

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