ホラーの章

処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ

【作品情報】2014年 ノルウェー 監督:トミー・ウィルコラ


【あらすじ】

 「処刑山」の続編。友人や恋人を殺害され、雪深い山から死に物狂いで下山したマーティン。今作はここから始まる。車に戻ったものの、ナチゾンビの襲撃に遭い、事故を起こしてしまう。


 入院先の病院で気がつけば、なんと失った片腕にナチゾンビ司令官ヘルツォークの腕が縫い付けられていた。雪山での殺人をすべて自分のせいにされ、拘束されるマーティン。


 そんな中、ナチゾンビはある目的を持って山を下山しつつあった。ナチゾンビの目的は?対抗できるのは誰なのか?内臓飛び出すぎのぶっ飛んだ残虐シーン、ここは笑っても良いのものか?というシュールな笑い、アクション満載の娯楽作。


【見どころ】

 子供も老人も容赦なく平等に罪のない住民が次々犠牲になっていく様はゾンビ映画という特性上もうあきらめるしかないのか!?


 本作はゾンビ+ナチスという大胆な組み合わせにより、見ごたえのある映像がたまらない。軍服とゾンビ!!指令官の背後に整然と並ぶナチゾンビやティーガー戦車での行進など、マニアックな映像にワクワクしてしまうこと請け合い!


 しかも、今回はナチゾンビだけでなく、宿敵のソビエトゾンビも復活させちゃおう!という発想に戦いの行方が気にならないわけはない。

 仲間になって行動を共にするお人よしゾンビやアメリカンなゾンビバスターズなど、ここは笑っていいのか?な場面や、誰が生き残るか最後までハラハラさせてくれる展開は意外と飽きなかった。


 クライマックスのゾンビ同士の大乱闘はアクションがなかなかカッコいい。衝撃のラスト、クレジットまで観ていただきたい。


【感想】※ネタバレ含

 「処刑山」を観たことがあり、ナチスのゾンビ?と衝撃を受けた。駄作にありがちな題材と思いきや、意外にも良くできており面白い。その続編で今回はソビエト兵のゾンビと戦うというから観るしかない。


 久々に観た惨殺シーンは目を覆うものがあったが、ストーリーはちゃんと立っているし、映像はカットがなかなかカッコいい。博物館でハーケンクロイツの幕を背に歩いてくる司令官やティーガー戦車の行進、丘の上に立つナチゾンビの軍団など、一枚絵としてお、カッコいいなと思わせる。このシーンを観るためについリピートしてしまいたくなる、そんな作品。


 マーティンを主人公につなげて友人や恋人の復讐という動機がしっかりしていたのも良かった。アメリカの軽いノリのオタクたちが意外と強かったのもある意味斬新。オカマな博物館の受付の彼は最後まで残ってほしかったかな。逆にアメリカ人のヒョロイ彼が生き残ったのはすがすがしい。オタク強し!役に立たない田舎の警官たちが生き残ったは、ある意味美学を感じてしまった。


 ラストはマーティンが自分の呪われた腕をまた切り落とすのかと思いきや、まさかの彼女を生き返らせる、そしてしっかり車の中でアハーン…!究極の愛を見た。お人よしゾンビはもうマスコットキャラだね。

 映像とシナリオがしっかりしている、これはとても評価したい。題材は相当ふざけているが、とても堅実な作りの作品だった。結構好き。

 

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