【イヤや!!リコンするわ!!】

3月7日・くもり


この日は、京都へ行って新生活の準備を進めていた。


モデル事務所の見学からアパートの契約のことまで…


できるところから少しずつ準備を進めていた。


その中で、姪ノ浜で暮らしているレイプ魔ジジイの家では、よくないことばかりが続いた。


くそったれムコは、シンガポール栄転を取り消されて出向になったのを苦に、家出して行方不明になった。


レイプ魔が経営していた会社がトーサンした…


負債総額は、十億単位の金額であった。


アタシの身体をグチョグチョに傷つけたけん、天罰喰らったのよ…


話は変わって、この日の夕方頃であった。


レイプ魔は、電話でアタシを呼び出した。


アタシは、レイプ魔が待っている姪ノ浜駅前の近くにある居酒屋へ行った。


居酒屋の店内にて…


テーブルの上には、冷酒のロックとおつまみ5点が置かれている。


店のユーセンから、梓みちよさんの歌で『ふたりでお酒を』が流れていた。


レイプ魔は、アタシとやり直したいと言うた。


アタシは『イヤや!!』と言うて拒否した。


レイプ魔は、酔った勢いでアタシを怒鳴りつけた。


「リコンするだと!?」

「ええ…ホンマにホンマよ!!あんたらの家族と不仲になったけん離婚するのよ…理由はそれだけよ!!」

「どうしても…イヤなのか?」

「イヤやと言うたらイヤや!!」


アタシは、冷酒のロックをひとくちのんでからレイプ魔に言うた。


「アタシは、これで5度破局したのよ!!」

「5度破局?」

「せや。」


アタシは、ひと間隔を空けてレイプ魔にこう言うた。


「二度は、深刻な嫁姑間の対立で離婚した…三度目は男ばかりのきょうだいの家で先に嫁入りしていた次兄の兄嫁に見下されたことに腹を立ててひどい大ゲンカをした…その前は子連れのダンナとひどい大ゲンカの末に離婚した…あんたを含めて、これで5度目よ!!…アタシの初婚が大きく遅れたことが、そもそもの悲劇の始まりなのよ!!…そういうあんたは、なんのためにアタシと結婚したのよ!?」

「何のためって、ワシは家族と仲良く暮らしたいから…」

「うそおっしゃい!!アタシの体目当てでしょ…きれいごとばかり言われん!!…ソレよりも、返してよ!!」

「返してよって…」

「アタシをあんたと指宿温泉で初めておうたあの日の前の日に返してよ!!アタシの人生をズタズタに壊しておいて、ヘラヘラすんじゃないわよ!!」


アタシは、レイプ魔の頭にのみかけの冷酒をぶっかけたあと、タンブラーで頭を小突いた。


その後、赤茶色のバックを持って店から出て行った。

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