【アタシはやさぐれ女よ!!】
3月14日・晴れ
アタシは、3月中に博多を出て京都へ行くことを決めた。
京都のモデル事務所からオーディション合格の通知を受け取ったアタシは、いつでも旅立てるように準備を進めた。
落ち着く場所ができたので、遅くても3月30日に出発すると決めた。
この日の夕方であった。
アタシは、那珂川沿いの公園で営業をしている屋台のおでん屋さんの桟敷席で、オユワリ(ショーチュー)をのみながらはんぺん(おでん)をつまんでいた。
その時、アホねえがアタシのもとへやって来た。
アホねえは、アタシに『助けてほしい…』とコンガンした。
アタシは『拒否するわ!!』と怒鳴りつけた。
「あんたね!!ええかげんにしいよ!!なんでアタシにばかり求めているのよ!!あんたらは自分たちの力でどうにか乗りきろうと言う気持ちがないみたいね!!」
「まりなさんお願いです!!もう一度だけチャンスを下さい!!」
「イヤ!!拒否するわよ!!」
「どうして拒否するのですか!?」
「イヤと言うたらイヤよ!!」
「まりなさん!!私たち家族は、もう一度まりなさんとやり直したいと言うているのよ!!それなのにどうして拒否するのですか!?」
「はぐいたらしいわね!!もう怒ったわよ!!アタシはあんたら家族をうらみ通すわよ!!」
「まりなさん!!それはやめてください!!」
「やかましいわねアホンダラ!!ここのノミダイ、あんたが払いなさいよ!!」
アホねえを怒鳴りつけたアタシは、赤茶色のバッグを持って立ち去った。
アホねえは、その場にすわりこんで声を震わせて泣いた。
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