第2話、食事が……塩分とりすぎだろ

「はじめまして。

お二人のお世話をさせていただきます。

ジャンヌです。

ちなみに、私、男ですので襲わないでくださいね。

あっ、襲っても大丈夫ですけど……」


黒髪ロングの、ゴスロリ。

どうみても女の子にしか見えない男の娘がそういった。

身長は150cm程度で、標準体型だ。


「ホントに男なのか?」


「なんでしたら脱いでもいいですけど」


「いや、いい」


「小柄で童顔なので子供に間違えられるんですが、もう18歳なんですよ」


「そ、そうか」


「何か、お困りじゃないですか?」


「いや……、どうして変人ばかりが集まるんだ?」


「うーん、難しいですね。

多分、作〇が変態なんじゃないでしょうか。

ちなみに、皆さんの魔法の指導もさせていただきます」


「魔法が存在するのか?」


「ええ、皆さんを召喚したのも魔法ですし、火・水・土・風の精霊を介して事象に介入するのも魔法です」


「身体強化とかはないのか」


「身体強化や治癒系は念と呼ばれる方法を使います。

魔法とは別物ですね」


「その念というのは教えてくれないのか」


「念は体術の部類ですので、別の指導員になります。

ゾネスというとても逞しい女性ですよ」


「なあ、この世界は女のほうが強いのか?」


「とんでもないです。

ただ、ゾネスさんが別格なだけですよ。

そろそろ時間ですね。昼食にしましょう。

ついでに、城の中をご案内しますから」


「おう」


「この王都内で、お金の必要なものは、先ほど手の甲に刻んだ紋章を見せれば城の支払いになりますから必要があれば何でも買っていただいて結構です」


「武器とかでもいいのか」


「結構ですけど、武器と防具は多分城の武器庫の方が揃っていると思いますよ。」


「奴隷とかも買えるのか」


「奴隷商もおりますので、荷役とかで必要ならどうぞ」


食堂は肉中心で、どれも塩か果実で味付けしたものばかりだった。

仕方ないので、塩分の薄そうなものを選ぶ。


主食は堅いパンで、塩味のスープにつけて柔らかくして食べた。

俺たちでさえ抵抗あるのに、女性陣は大変だろうな……


ところが、女性陣は早速街に出て、屋台で食べ歩きしたんだと……


その夜、また4人で集まった。


「メシが不味いな。硬いパンと塩辛い肉ばっかりだ」


「まあ、外の屋台も似たようなものよ」


「じゃあ、自分たちでやわらかいパンを作りましょう」


「パンを……」 「作る?」


「そうです。

天然酵母があればパンを発酵させられます。

天然酵母は、自然界にあふれているのです」


「天然酵母?」


「半月くらい時間がかかりますが、やりましょう。

おいしい食事のためです」


「お、おお」

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