第2話 ゲキ難です。

【皆さんこんばんわ。川原輝です。今夜も様々なあなたのノイズ聴かせてください。夜が明けたら、あなたの心に優しいメロディーが流れています様に。では、早速メッセージ行きたいと思います。ラジオネーム…あ、先週メッセージくださった”夜中ど真ん中。さんですね。】


(うわー!また俺じゃん!すげー!輝さんありがとう!)


【〈輝さん、先週輝さんの言うように、何とか好きなら友達くらいにはなれるように頑張ろうと思い、〔話しかけようノイズ〕が『ウワー!』ってなるのに、どうせなら格好つけて何か良い印象を持ってもらいたくて、色々シミュレーションして、近づこうとするのですが、『やっぱだめだ』ノイズが止まりません。勇気を出して一歩踏み出すにはどうすれば良いでしょうか?〉


夜中のど真ん中。さん、いつもありがとうございます。なんかメッセージ読んでると、高校生ってこうだったよな…とか自分に重ねてしまって、夜中ど真ん中。さんに頑張って欲しいな、なんて思ってしまいますよね。

でも、夜中ど真ん中。さん、これだけは言います。高校生活は思うより短いです。あっという間に過ぎ去ってしまいます。

〈だめだ〉ノイズ、流れますよね?分かります。私もこの〈だめだ〉ノイズ、本当に厄介です。

でも、先週、勇気出してって言ったと思うんですが、勇気を出すって言うより、素直になると言う方が、私は大切だと思っていて、好きになってもらいたい自分と言うのは背伸びした自分より、等身大の自分だと思うんです。だから、無理して第1印象を、良い格好して残すんじゃなくて、恥ずかしがってるなと思われても良いと言う印象でも、嘘じゃなく、自然体でいる事が大切だと思いますよ?

どうですか?夜中ど真ん中。さん。私はその夜中ど真ん中。さんの中に居る恥ずかしい自分も自分だみたいな、誰よりも格好良い夜中ど真ん中。さんの〔恋のノイズ〕高鳴らして欲しいです。

そんな夜中ど真ん中。さんにはこちらの曲を。

back numberで”僕が今できることを”】


と、その曲を聴いていた大樹の目から涙が流れた。

この曲は、一般的な解釈では、恋の歌ではない。しかし、等身大のままの自分で良い、そんな曲だった。


(恰好付けないか…。確かにな…そうだよな…。ほんでもし付き合うってなっても、自分の汚い所どんどんぼろが出て、どうせ嫌われちゃうんだろうし…。

でも、もし最初が滅茶苦茶ダメだったら、挽回できんのか?

輝さん、ゲキ難です…)


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