第4話
だからそうしてフェアリーでもゴッドでもなくマザーなはずのかわいくいとしいアダルトなチャイルドからゲットした衣装でドレスコードを満たして私は遊園地のハロウィーンイベントに行ったんだ。
タートルネックを着て、着物を浴衣と同じ感じに着て、帯はケープでまあまあ隠し、140デニールのスリコのタイツにショートブーツを履いていった。会場で耳を付け、海外雑貨のファー付きの猫面を後ろ頭に髪の上から耳にリボンをむすんで、目じりに赤を強めに入れたアイシャドウにした。
たくさん写真を撮ってグッズを買って推しに触れておおいに楽しんだ。
ファンサがすごい。まじで触れ合える。そりゃそうだ。
マイナーだけどいい沼だな。まじ神。
そういう気分だった。まあその認識は今でも変わってはいない。
あの狐の演者殿は実は大きな神社で鳳もやっている。
お囃子の姫の中には弁財天の化身もいるし、獅子舞の彼が翁のこともあれば辰のこともある。
全てが彼らの、本物の正体だ。
どれを演じていても全力で神事を全うしている。
そしてどんなイベント会場でどんな演目や役目を回しても、
エンターテイナーとして、パフォーマーとして一流だ。
たまらない。
彼らが舞い始めると、曇っていた空が必ず晴れる。もちろん狐の嫁入りも多かった。
ああ、降ろすパフォーマンスは毎回しているようなものだけど、
おかえりいただくような儀礼の舞はしているところを見たことがないな。
何度か見に行くうちに普通に気づき、一体化してるなあと思った。
仮面もペルソナも、つけ続けているうちに自分自身と存在が混ざっていくものだ。
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