第6話 二人の関係 ~ 禁断の恋、境界線を越えて~

「なぁ、綾香ちゃんの様子、最近おかしくないか?」


と、奈賀松君。



「有哉、お前ヤっちゃって妊娠でもさせた?」


と、阿理守君。



「あのなー、まだ、そんな段階じゃねぇぞ!」


「つーか…お前らって付き合ってんの?マジな話。どうよ?そこん所」


と、奈賀松君。



「付き合ってる訳でもねぇし」


「付き合ってねぇの?」と、奈賀松君。


「付き合ってない!だけど…あっちは満更じゃないとは俺は思う」


「お前は?」と、阿理守君。


「…………」


「…おいっ!何か言えよ!」と、阿理守君。


「…黙秘かよ!」と、奈賀松君。



「……好きだぜ」



「…やっぱりな」と、阿理守君。


「キスした仲なら当然か」と、奈賀松君。


「俺の気持ちは伝えてあるけど…向こうから返事はもらってない…その前に問題生じてるからな…多分、それが気掛りなんだろうと思う」


「問題?」と、奈賀松君。


「そっ!あっ!」


「何だよ!」と、阿理守君。


「字間違ってるし!」


「は?」

「そっちかよ!」



「先生、字違う!」と、三樹君。


「えっ!?」と、振り返る。


「そこ!」

「ここ?」

「違うし!」

「これ?」



席を立つ三樹君。


前に来ると黒板消しで字を消しいくつかの間違い書き直す。



「間違いだらけ!つーか、目開いてる?」

「なっ!あ、開いてますっ!」



顔をのぞき込む三樹君。



ドキッ


ムニュと両頬を摘ままれた。



「俺が先生の代わりに授業しようか?」



クスクスとクラスに笑いが起こる。


そして、席に戻る三樹君。



その日の授業は、からかわれ馬鹿にされつつも終わるのだった。





そして、ある日、事件は起きた。




「おはようございます」

「おはようございます。じゃないですよ!」

「えっ?朝ですからおはよう……」



スッ

目の前に1つのチラシが出される。



「な……えっ…?」



バッ

チラシを取り上げる。





【淫乱女。美人教師のもう1つの顔】




そう記載されたチラシ。


いかにも合成したと思われる男女の裸姿や沢山の写真が張られていた。




「これは、どういう事ですかぁっ!?」

「違います!こんなの知りません!」

「本当ですか?」

「本当です!私はもっとスタイルが……」

「そういう問題じゃありません!」


「分かってますよ!だけど本当に知りませんっ!」


「全く!生徒の門題がないと思ったら先生であるあなたに問題があるとは」

「私に問題って……」


「ともかく!このチラシは学校中にばらまかれている状態です!」


「えっ?」


「生徒にも悪影響ですし、あなたに危険も及ぼします!」



「………………」



「とにかく今日は自宅待機という事で自宅で大人しくしていて下さい!」


「いいえ!その前にこの誤解を解かせて下さいっ!」


「しかしですね」


「誤解を解かない限りは、そのままだと思います!私は先生になる事が夢だったんです!こんな事で負けたくありません!」



「………………」



「校内放送してでも誤解を解かせて下さいっ!お願いしますっ!」



そして、緊急で放送する事になる。


そこへ ――――



「三樹君!?」


「このチラシをばらまいた奴等は謝って欲しい。先生は、自分の夢を潰すような事は絶対にしないんだよ!代表として言わせてもらう!これは嘘だっ!」



三樹君も加わり、どれくらいの誤解が解けたかは分からない。





~ 三樹 有哉 side ~



その日の放課後。


俺の元に俺の嫌いな女子生徒がいる。


先生との事を良く思ってない女子生徒だ。



「ねぇ…三樹君…私と付き合ってくれない?」

「悪い。俺君とは付き合えない」

「どうして?あの美人教師が好きなの?」

「前に言ったじゃん!」


「第一、あの先生、美人を良い事に沢山の男と遊んでいるのよ!チラシ見たでしょう?」

「俺は信じない!全て合成だろう?」



キスをする彼女。



「あれ、私がしたんだ」

「えっ?」

「チラシ」


「…………」


「…お前だったのかよ…」

「そっ!良く出来て…」

「ふざけんなっ!」



その時だ。


俺の携帯に着信が入る。



「もしもし?分かったすぐ行く!」


「お前…最低だな?もう俺達に構うなよっ!」

「行くの?」

「当たり前だろう!?」

「もう遅いんじゃないの?」

「遅くなったとしても、俺は約束したんだよ!」



俺は教室を飛び出した。


さっきの連絡は、先生がガラの悪い奴等につれて行かれたとの事だった。


「どうして?…どうしてよ!」


「あっ!俺だけど教室にいる女、いなかったら探してくんね?先生のデマのチラシ流した超本人。アイツ男と遊んでいる奴らしいし」




一方。


私はとある倉庫に連れて来られた 。



ドサッ


押し倒される私。


男子生徒に押えつけられ身動きが取れない。



「や、辞め…」



何とか逃げようとするがすぐに捕まり押えつけられる。



「大人しくしろ!」

「色々な男とヤってんだろ!?」


「ち、違…」



バシーーッ


頬を打たれた。



「……っ…」


「ゴチャゴチャうるせー女だなっ!」



ビリビリと洋服が引き裂かれた。




「辞め…いやぁぁぁっ!」



再び打たれる。



「写真よりも全然違う」

「顔も申し分ないし超興奮してきた」



ドンドン…

倉庫の扉が叩かれる。




「は、離し…」

「女に手出してみろ!お前らタダじゃ済まねーぞ!」




ドキン…



「三樹…君…?」



私は彼等が油断した時、鍵を開けた。



「有哉っ!」

「先生っ!お前ら…」


怒る彼は手を出そうとした。



「駄目っ!暴力は……ここで問題起こしたら…」




「有哉、お待たせ~」

「この目隠し女どうする?」

「そん中にぶちこんで」

「了解!」


「どうせ交換条件だろう?」

「ちょ、ちょっと!」


「自業自得だろう?先生は返してもらうから!最後に、もう一回言う!二度と俺達に構うんじゃねぇっ!先生は、時間がねぇんだよ!雨月 綾香は期間限定の臨時教師なんだからな!先生の人生メチャクチャにすんじゃねぇっ!」




ドキン…

私に制服を羽織らせる。



「遅くなって悪い……綾香。大丈夫か?」


両頬を優しく触れる。



ドキン



「上はともかく下……ジャージで代理しとくか…」



取り合えず奈賀松君や阿理守君に協力をして貰い、人目のつかない所に移動する。


「まだ、明るいし帰る訳にはいかねーから。よりに寄って体育なかったしな……二人とも悪い……俺ん家戻って私服持って来てくんね?」


「了解!」

「こっちも何かしら有ったら連絡する」

「こっちも連絡する」



私達は二手に別れた。


「先生…いや…綾香……俺の事マジで考えて欲しい」


「三樹…君…」


「さっきは名前呼んでたのに」

「さっき?無我夢中だった…」



言い終える前にキスで唇が塞がれた。


「有哉って呼んで欲しい…それが俺の本音なんだけど……」


「私達は先生と生徒なの!駄目に……」



再び言い終える前にキスをされ深いキスを何度もされ名残り惜しむように声が洩れる。



「俺の女になってよ……先生」



ドキン



「三樹君…」


「つーか…俺の目の前に好きな女がエロイ格好でいんのに手出せないのってスッゲェ辛いんですけど…ねぇ…先生の本心聞かせてよ」


「えっ?」


「俺の事…生徒以外見れない?」

「…それは…そ、そんなの決まって……」

「…分かった…じゃあ…俺の最初で最後のお願い聞いてくんね?」


「えっ?最初で最後のお願い?」


「今日で先生の事諦める」



ズキン

胸の奥が小さく痛む。



「えっ?」


「先生…臨時教師に過ぎねーから…追っても逃げられるし…だったら初めての相手位、好きな女で男にして。先生にもさっきの事で奪われる位なら俺に女にしてもらえよ」


「三樹…」



キスで唇が塞がれ深いキスをされ、唇が首スジ鎖骨、胸元と唇が這う。



「ちょ、ちょっと……」

「初めてなんだろ?」

「それは…」

「過去に何があったかは聞かねぇけど……大体の予想はつく」



「…………」



「“美人だから遊んでいる” とか“美人だから既に彼氏がいる” とか……後は……襲われそうになったとかそんな所じゃねーの?それとも他に理由有る感じなのか?」


「…………」


「男に対して壁あんのは気のせいじゃねーよな?」


「俺はあんたを傷付ける気ねぇから。俺の事…信じて全部委ねて良いから。先生…今日だけ…今だけ俺の女でいて…」



ドキン



「三樹君…」



気付けば体を委ね重ねて合わせていた。



「綾香……」

「有哉……」


「名前呼んでくれてマジ嬉しいんだけど……やっぱ諦めきれない……」

「有哉…信じて良い?」

「えっ?」

「あなたの事……これからも……」

「綾香…」

「私…あなたが好き…」



私は有哉に抱き付いた。



「可愛すぎだろ?本当に先生かよ…反則だろ?」



その時、奴等から連絡が入る。


こっちに向かって来てるとの事だ。



「分かった……だけど……こっちから連絡するまで教室に待機しててくんね?悪い」


「有哉?どうして?」

「綾香のせい……」

「えっ?」



そう言うとキスをし深いキスをすると有哉の熱が私の体を貫いた。


声が洩れるのを察知したのか、すぐに唇を塞がれた。




しばらくして――――



「有哉、洋服」

「サンキュー」

「はい、先生、着替え…」


「馬鹿、有哉っ!体痛い!」



「えっ?有哉…?呼び捨て?」と、阿理守君。


「痛い?どういう事?二人に何があったんだ?」


と、奈賀松君。


「ヤっちゃった?」と、阿理守君。


「いやいや、二人の関係はそういう段階じゃなかったはず」と、奈賀松君。


「いや……明らかに綾香ちゃんの雰囲気変わってね?」と、阿理守君。



「ゴチャゴチャうるせーな!あー、俺が女にしてやった!気がすんだかっ!」



「おーっ!大胆発言!」と、奈賀松君。


「綾香ちゃんどうだった?」と、阿理守君。



「な、何がよ!」



「良かった?」と、奈賀松君。



「そんな事よりも痛かったわよ!」



「うわっ!綾香ちゃんも大胆に答えたね~」


と、阿理守君。




「…………」



「それよりも学校の状況は?」

「ほとんど部活生がいる位」

「そっか。先生は荷物取って来なきゃならないしな」



取り合えず私達は移動した。


そして荷物を取りに行き私達は帰る事にし、帰りは彼に送って貰う。



「じゃあな、先生」

「うん、ありがとう……」



キスされた。



「取り合えず気を付けて行動して欲しいから、何かあったら教えてくんねーかな?」

「う、うん…」



私達は別れた。






































































































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