第2話ナンパされて
「なあ、綾香ちゃんってからかい甲斐あるよなぁ~」
「そうそう。何処と無く抜けてるし、おもしれー」
「今度もっと違う形でからかって……」
「辞めとけよ!」
「どうして?」
「つーか、お前がそう言うなんて珍しいじゃん」
「相手は女の先公だろう?」
「そうだけど」
ある日の学校帰り、用事で遅くなり夜の街を帰っていた。
「ねぇ、か~のじょ、今、帰り?」
「そうですけど」
「じゃあ、一杯付き合わない?」
「えっ?」
二人の男の人達に声をかけられた。
「結構です!私、そんな暇ないので」
「……ん?あれ~?君、もしかして学校の先生?」
「えっ!?」
バッ
教科書がバックから奪われる。
「あっ!」
「本当だー。教科書じゃん!やっぱ大人の女の色気で男の目釘付けってやつ?」
「そうだよなー。男の高校生と言ったら大人の女の色気が大好きだし」
「変な事、言わないで下さいっ!教科書を返して貰えませんか?」
「付き合ってくれたら返してやるよ!先・生」
≪コイツらぁ~≫
「そうですか!じゃあ、結構です!要りませんっ!また買えば良いですから!失礼しますっ!あなた達もスタートから勉強した方が良いんじゃない?その腐った脳みそ叩き直したらどう?」
私は去って行き始める。
グイッ
腕を掴まれた。
ビクッ
強張る私。
「言ってくれるじゃん!」
「じゃあ、これは要らないって訳だ」
ビリビリ
教科書を破られた。
「あっ!」
その時だった。
「ってっ!」
≪えっ?何?≫
「誰だよっ!」
「人の頭に石投げてんじゃねーぞ!」
二人の男の人達が怒りつつも石を投げたと思われる相手を探す。
「悪ぃな!脳みそ腐ってんのかと思って石投げてみたんだけど……どうやら腐ってねーみたいだな。腐ってたらその頭に石めり込むからな」
「テメェ!」
「クソ子供(ガキ)!」
彼等は相手に向かうものの、彼等は倒され、逃げるように走り去った。
「あ、あの…すみません…ありが……」
「お前、馬鹿?」
「えっ!?」
「先公のくせに教科書ねぇなら意味ねーだろ!?」
「 ……み…三樹…君…!?」
「先公なら教科書大切にしろよな!命の次に大切な物なんだろ?」
「命の次って訳でもないけど……まあ大切な物は大切だけど…」
「…あっ!もしかして、教科書何度も読み返して頭ん中に暗記してる感じ?だとしたらあんたの頭ん中ヤバくね?教科書も要らねーよな?」
「そんな訳ないでしょう!?あ、ありがとう!!それじゃっ!」
グイッ
私の手を掴む。
ビクッ
「助けたのに、お礼そんだけ?」
「えっ?」
顔を近付ける三樹君。
ドキッ
「えっ!?ちょ、ちょっと…待っ…」
ピタッと唇が触れる寸前で止まる。
≪えっ?≫
かぁぁぁ~っと顔が赤くなる。
「なーんて…そんなビビんなくても何もしねーよ!つーか、男と付き合った事位あるだろう?23年間生きてんだし!」
「……………」
「何があったか知らねーけど。顔真っ赤にして面白い奴だな?じゃあな綾香先生」
そう言って彼は去って行った。
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