第7話 恋の時計
それから数か月が過ぎ、私達の関係は相変わらずだった。
「魅憂ちゃん」
「あっ、夕哉君」
「最近、どう?相変わらず恋してないの?」
「してない…かな?夕哉君は?相変わらず友達との方が楽しいのかな?」
「まあ…そうかな?」
「そっか…でも…もし恋する気になったら、夕哉君は夕季かな?連絡取り合ったり出かけたりしてるみたいだし……」
「どうかな?政貴とも出かけてる話を聞いた事あるけど」
「えっ?そうなんだ…私も良い加減、前に進まなきゃな…恋の時計が止まったままだから」
「…止まったままじゃなくて…自分で止めてんじゃなねーの?」
「………………」
「思い出だけに頼ってないでさ恋愛しようって気になんねーから今を至ってんだろう?思い出は思い出のままなんだよ!良い加減進まなきゃって自分で分かってんなら止めたままにしないで一歩踏み出せよ!」
「………………」
痛い所つかれたと思った瞬間だった。
「…ごめん……俺…」
私は首を左右に振る。
「…………」
その時、飼い犬が戻って来る。
「ライ、帰るか」
「ワウ」
「キラ、帰ろうか…」
「クゥン…」
「ごめん…魅憂ちゃん…」
「ううん…大丈夫…だか…」
グイッと抱き寄せられたかと思うと抱きしめられた。
ドキン
胸が大きく跳ねる。
「だけど…頑張って踏み出しな…もし…どうしても無理な時は…」
抱きしめた体を離す。
「その時は…俺が何度も背中押してやるから…天国にいる彼氏が笑顔でいられるように…」
そう言うと、私達は別れた。
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