第3話 二人の関係と2匹の犬
「そうなんだ」
「うん告ってみたものの駄目だった」
夕季から、夕哉君に告白した結果を教えてくれた。
「私も相手の男の子に告白されて断った」
「そうか…」
私達はこの前の話をしていた。
数日後の散歩中 ――――
「あっ!こらっ!キラッ!待っ……」
ドサッ
リードが私の手元から離れ、私は砂浜に転倒。
「ったぁ~……もうっ!馬鹿キラッ!」
「ワウワウ」
砂浜にいる男の子と犬に向かって駆け寄る、キラの姿。
「あれ?お前……」
男の子は、すぐに気付いたのか、辺りを見渡し砂浜を歩いている私の姿を見付ける。
「やっぱりそうか!ご主人様は放ったらかしか?キラ」
「キーーラーー」
「ほら、ご主人様がお呼びだぞ!キラ」
次の瞬間、男の子の飼っている犬が動き出し
「ワウワウ」
「あっ!こらっ!ライっ!」
私に向かって飛び付いた。
「きゃあっ!」
ドサッ
再び砂浜に転んでしまった。
「ライ?キラ?」
「大丈夫?魅憂ちゃん。それ、ちなみに家の飼っているライだから」
「ライ?えっ?夕哉君?」
「もう…ついてないなぁ~…」
クスクス笑っている夕哉君。
そう―――
私達の犬は血統書つきの犬
ゴールデンレトリバーでそっくりだ。
ちなみに雄と雌なのだ。
度々、会う事が増えている私達だった。
私達は色々話をしていた。
ある日の学校帰りの事だった。
「あれ?……夕哉…君?女の人…彼女かな?」
私は夕哉君が一緒にいた美人系の女の人を連れ、海辺で親しそうに話をしている姿を見掛けた。
私は見て見ぬふりをし、一先ず家に帰宅。
キラの散歩の時間をずらすべきか?と思う
中、いつもより、ペースダウンし海に向かう。
海に着くと既に二人の姿はなく、私はキラを放す。
「彼女だったのかな?凄い美人だったなぁ~」
私はぼんやりとしていた。
「ワウワウ」
「キラ戻って…」
振り向いた瞬間、覆い被さる様に来る。
「きゃあっ!キラ、もう散歩良いの?ん?何か違……ライっ!?えっ!?」
「魅憂ちゃん」
「夕哉君!?」
「良かった。今日、いつもよりも遅い散歩だったから」
「えっ?駄目な理由何かあるの?」
「いや、これと言ってないんだけど」
「そう?」
「あえていうなら、ライがキラと魅憂ちゃんに会いたがってるかなぁ~と思って」
「クスクス……だとしたらキラは夕哉君とライに会いたがってるかも」
「そこに魅憂ちゃんはいないの?」
「えっ?私?私は……そんな事言ったら彼女が妬くよ」
「彼女?俺、いないけど」
「えっ?じゃあ……さっきの美人な人は?」
「えっ?さっき?」
「うん。さっき学校帰りに親しそうに話をしている姿をこの砂浜でのツーショット見掛けたから、てっきり彼女かなぁ~って思って…」
「あー、彼女は友達。俺、自分でいうのもおかしいけど、特定はまだいらなくて告白される事ばかりで女友達ばっか増えて。女の子といると、いつも誤解される事ばっかでさ」
「………………」
≪性格なんだろうな……つまりモテ男なんだね≫
「マジな話だから」
「いや…信じてない訳じゃないよ」
「そう?」
「うん。つまり、夕哉君はモテ男なんだね」
「俺が?」
「うん」
「そうなのかな?」
≪自覚してない所が凄い≫
私達は色々話をする中、2匹の犬も仲良く戯れ遊んでいた。
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