名前について考える

物語を書くにあたって私が一番悩むのは、主人公らの名前である。

物語のイメージから付けることもあるし、ちょっとした遊びを入れることもある。

例えば「傘」に出てくるあかね春海はるみは物語の中での立ち位置なども考えて付けた。

ちなみに茜は帰り道の夕日のイメージから、春海は「赤ちゃんと僕」という漫画の主人公の父親の名前をそのまま付けた(漢字は違うけれど)。彼がきちんと姿を現すのは「雪の都」で、その中で彼はせつの心を動かすという役目があった。そのため冬が連想される雪との対比的な意味で春海となった。

私は自分が今までに書いた物語の中で気に入っている名前がいくつかある。

一つは藍斗あいとゆうである。この物語は手持ちのノートに書いたものなので私しか知らないのだが……。

この二人にはちょっとした遊びを入れている。

「愛と言う」「友愛と」「Ⅰとyou」

この名前は考えるのに大分苦労した。その分愛着もある。中学の時(そうは言っても三年前とかだけど)に考えた人たちなので、普通にけっこう恥ずかしい気もするが。

フィクションの世界でもこんなに悩むなんて、自分の子供などとなったらどうしてしまうのか、困ったことだ。

それでも名前を考える作業は好きだ。

身近な人の名前の由来などを知ることも好きだ。

以前読んだ「止まりだしたら走らない」という小説の受け売りだが、たしか名前には願いが、あだ名には歴史がこめられているという。

どんな名前でも、本人が気に入っているのであれば名付け側としては本望であろう。

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