分身できたらいいのに
「分身できたらいいのに」と思うことが多々ある。
幼稚園児、小学生のころから感じていた思いは、中学生になったくらいにこういった言葉として落ち着いた。
「分身」というのは言ってしまえば言葉の綾である。
別に本気で分身したいわけではない。
ピンとこない方のために言っておこう。私は、自分の真の理解者である自分にちゃんと触れたいのだ。
例えば、辛いことがあって誰かに抱きしめてほしいとき。誰かに頭を撫でられて泣きたいとき。誰かに頑張りを認めてもらいたいとき。誰かに一緒に喜んでほしいとき。
自分と同じ感情を、同じ温度で、速さで、感じてくれる人がそばにいればいいな、と思う。
そう思う瞬間は、ひどく孤独を感じる。
まるでそう考えることが悪いことのように思える。
他の人と自分で違いがあるから愛しいはずなのに、その違いのせいで嫌になっては困るのだ。
余談だが、私は私のことがとても好きだ。大好きだ。世界の誰よりも私を愛している自信がある。
そう思うことに決めたのだ。きっかけは忘れたが、確かにそう決めたタイミングがあったはずだ。
自分の真の理解者であるはずの自分が、自分を追い込んでしまってどうする。
だから決めたのだ。どんなに自分が嫌いでも、最低でも、カッコ悪くても愛すると。
私にとって「私」は、真の理解者であり、家族であり、親友であり、恋人であり、ヒーローであり、要救助者であり、味方であり、好敵手でもある。
手を握りあえなくても、目と目を合わせて話せなくても、そもそも肉眼で姿を見たことがなくても、私は私が大切だ。
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