邪神ちゃんからの有難い説明?

突然の邪神ちゃんの登場。それにより、人間種の3人は過呼吸、体の震え、悪寒等に陥っていたが、邪神ちゃんの有難い自身の存在の調整により、それらは何とか治まったが人間達の混乱は収まらなかった。それどころか悪化した。


「コホン、落ち着こうね?別に殺したりしないからさぁ。まぁ、君達の混乱は少しだけ分かるけど、ボクはそっちのアラネア達と君達のコミュニケーション、つまり会話をスムーズにするためだけに来たんだよね。あ、ちょっと話が長くなるかもだから……これで良し♪」


邪神ちゃんは混乱中の3人を半分無視して話を進め、何処からか4人分の椅子と長テーブル、ティーポットにカップ、山盛りのクッキーと多少のお肉を取り出してセッティングした。


「人間種は今回はこれでお腹を満たしてね。まぁ、次回はないけどさ。では、説明を始めよう!」

「あの……何の説明でしょうか?」

「んー……とりあえず、僕のことは邪神ちゃんでお願いね?ただ、様付けもさん付けも要らないから」

「邪神っ!?」

「えっ!?」

「悪い神様??」

「はい、今君達が思い浮かべた邪神とは違うので勘違いしないように。それは人間種が生み出した偶像であり、真実であり、新たに生まれた神だね。いい加減、人間種には神様を勝手に増やすのは止めて欲しいんだよね~。変な派閥は勝手に作るわ、人間種だけにやたら干渉するわ、勝手に魔王?なんてのを生み出すわ、元々居る神を蔑ろにするわ、弱いくせにやたら喧嘩売ってくるわでね、本当に最悪な連中なんだよねっ!」


それから、邪神ちゃんの話は長く、いかに人間種達が生み出し、信仰している神がどんな存在かを語り、古き神々についても語る。だが、その内容はほとんど愚痴であり、どうでもいい話にまで及び、邪神ちゃんはかなりヒートアップしていたが、聞いていた面々は次第に面倒になってきていた。


「って事が前にあったし、それからそれから」

「あの!お話はだいたい分かりましたので、本題の説明とは?」

「ん?あっ!?あー、ごめんごめん。話が逸れ過ぎてたね。まぁ、食べながら聞いてて良いよ♪」

「は、はぁ」

「では、有り難く頂きましょうか」

「やった!」

「まぁ、聞くのは人間種の君達位で、あの子等は自由に活動してるけどね」


そして、久しぶりの人間らしい食事にありつきながら、人間種達は邪神ちゃんの話を聞いた。

邪神ちゃん曰く


・ある日、アラネアは人間を狩った時、その人間が持っていた本を見て、子育てというのに興味を持った(蜘蛛の魔物は、基本的に子育てというのはしないらしい。子育てをする種類も居るには居るらしいが)。


・しかし、本のように子育てはなかなか出来ず、アラネアは自身の魔力を込め、通常とは違う異端児、つまり亜種の誕生に一類の望みをかけた。


・長男、長女と二匹も異端が産まれ、かつ、子育て向きな性格が功を奏し、アラネアは二匹の子育てを開始した。


・邪神ちゃんが関与したのは面白そうだから以外ないとのことだが、実際に関与したのは、アラネアに人間種の一般的な言語と知識、魔法の習得方法や使い方を教えたのと、アラネアに魔導書を渡した事だけである。


・何故、魔物が魔法を使えるのか?別に人間種だけ、というわけでなく、やり方さえ理解し、イメージ出来れば、この世界の生物は魔法を元々使えるらしい。だからこそ、人間種が神獣と言って崇めている場合もある動物達が居るのだと。まぁ、多少は古い神が手を貸した場合もあるらしい……と。


そして、最後に邪神ちゃんは一つの忠告を人間種達に言って帰って行った。


「君達はしないと思うけど、もし、アラネア達に手を出すのがいたら、それは止めた方が良い。たとえ大国でも、子供に手を出せば怒り狂ったアラネアが文字通り災害となって大陸を蹂躙するだろうね。それに時間が経てば経つほど子供達も成長して手がつけられなくなる。おまけに遊びの邪魔をされて、ちょっと怒った邪神ちゃんも暴れるからオススメはしないよ♪この話を広めるか、胸の内に仕舞うかは君達に任せるよ」


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