9月6日(土)9:00 喫茶店

指定された時間通りに喫茶店についた女は、男の説明を一通り受けました。女の落ち着いた表情は、呆れているようにも感心しているようにも取れました。


「なるほど、10万円を持って人生最後の一日を謳歌してみようという遊びのお誘いか。いいね、やろう。」


男の突飛な提案に女は即答で同意しました。しかし、男は驚きません。女が喫茶店に時間通りに来ることと同じくらい当然のことだったのです。男はこう返します。


「ありがとう。それではさっそく僕たちの全財産を卸しに行こう。」


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