(二)-11

 ともかくも、こうして私は鞄に入ったまま川底に沈むことになった。

 どのくらいの時間が経ったのだろうか。私が太陽の光を浴びることができたのは、ずいぶん時間が経ってからだった。

 川の流れは穏やかだった。しかし、水量が多く、開きかかっていたジッパーがさらに開き、鞄から出ることができた。そして川底の水流に押されて転がりながら、投げ入れられた地点から数キロも離れた所まで流されてしまったのであった。

 そしてある日、私はアンドレイ・ベンソンという名の漁師が投げた投げ縄に引っかかって引き上げられた。


(続く)

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