綿密なリアリティを考証したタイプではなさそうなのに、おはなしにつきものの作為的な印象はなく、不思議と日常感覚が強く感じられる、絶妙のバランス感覚の産物みたいな作品です。
このタイトル、この設定で反抗期真っ盛りの高校生が書いたら、おじさんおばさんにはちょっと読めない作品になるのですが、高校生の魂を持ったまま年を重ねた書き手が書いたら、こうもしみじみした文章が出来上がるのでしょう。
「大人になる」ということを否定もせず肯定もせず、かと言って悲観的でも教条的でもなく、やや突飛もない設定を軸に、問いをそのまま読者へと返していくようなストーリー展開。でも締めは明るく、タイトルをちょっとひねった洒落っ気を感じます。
こういう読後感の作品は、プロも含め、他ではほとんど読んだことがありません。個人的には、SFというよりは純文傾向の作品として評価すべきだと思いますが、なんにしても、今の投稿サイトだとこういう良作がきれいにはまるジャンル分けがされてないのが惜しいですね。
作者からの返信
嬉しいコメント、ありがとうございます。ジャンルは迷ったのですよね。現代ファンタジーなのかSFなのか。文学ジャンルがあればそうしたかもしれませんけど設定が突飛すぎてやっぱりファンタジーかなぁ、とか。いずれにせよ投稿サイトは良くも悪くも流行を追いかける場なのだなと思いました。
(* ̄∇ ̄*)うん、あるかも!
こーゆー世界も、気持ちも、考え方も。
わかるわ~、だよね~、設定がリアルで面白い。思わず自分だったらどうするか考えてしまった。うんうん。
作者からの返信
応援ありがとうございます。自分だったら……どうしただろう?