第2節 輝ける功績、そして受爵

第11話 竜退治 ~リンドドレイクとワイバーン~

 グレーテルの件が切っ掛けとなって、フリードリヒは、図らずも多く抱えてしまった愛妾、パーティーメンバーや食客たちを守っていくためには、個人的な武力や資金力だけではなく、社会的な名声や力も必要だと考えるようになっていた。


 この一環として、これまで目立つことを避けてきた冒険者として、ランクアップしていくことも有力な手段の一つである。


 フリードリヒは現在あえてAランクのゴールドに留まっている。

 これがSランクのミスリルになると神聖帝国内では百人程度、SSランクのアダマンタイトになると10人程度、SSSランクのオリハルコンに至っては30年ほど前に1名認定されたきりであり、その者も加齢により事実上引退している状態であった。


 仮に30年ぶりにSSSランク認定ともなれば、神聖帝国中にその名が鳴り響くことが予想できた。


 これも社会的力といえばそうであろう。


    ◆


 この時代の流通は、14世紀になるとジブラルタル海峡を通ってバルト海と商業が盛んなイタリア北部を結ぶ海路が開発されるが、この時代はまだ陸路が中心で、大量輸送については川を使った輸送が主に使われている。

 バーデン領を含む神聖帝国の内陸部にとっては、ライン川の支流のマイン川の船運が大きな役割を果たしていた。


 このマイン川にリンドドレイクが住み着いてしまったのである。

 リンドドレイクは、竜の一種で、尾はやじりのように尖っており、ワニのように長い頭で鋭い牙を持つSランクの魔獣である。属性竜のようにブレスは吐かない。


 リンドドレイクは船や旅人を襲い、これを恐れて流通や旅人の往来は滞ってしまった。

 ついには、商人たちが金を出し合ってリンドドレイク退治の懸賞がかけられるに至った。


    ◆


 フリードリヒがいつものようにギルドに寄るとモダレーナが声をかけてきた。

 フリードリヒに請けて欲しいクエストがあるというので、説明を聞く。


 内容は、マイン川住み着いたリンドドレイクというSランクの竜の討伐で、懸賞金もかけられているという。


「Sランクならば、私ではなくとも他に討伐できる者がいるのではないか。なぜ請け手がいない?」

「それがですね。陸に上がればSランクでも対処できるのですが、何しろ水中に住んでいますので…。水中戦となると太刀打ちが難しいので請け手がいないんです」

「なるほど」


 ──それなら何とかして水中から引きずり出すまでだ。


 フリードリヒはしばし思案し、何か思いついたようだ。

「よしわかった。そのクエストを請けよう」

「ありがとうございます。さすがアレクさん。頼りになりますね。」


 フリードリヒはその足でタンバヤ鉄工所へ向かうと、長さ100メートルほどの丈夫な鎖をできるだけ早く仕上げるよう依頼した。

「オーナーの依頼なら最優先で仕上げます。明日の朝までには必ず」

 親方のタンクレートが答えた。相変わらずフリードリヒには頭が上がらないようだ。


 続いてツェーリンゲン家の直轄地の農家へ向かい、できるだけ生きの良い牡牛を譲ってくれるよう頼んだ。

 なぜ牡牛かというと元気がいいということもあるが、牝牛は乳を生産する大事な役割があるからだ。


「鎖と牡牛?何をするにゃ」とミーシャが呟いている。


 牡牛は明朝改めて農家へ取りにいくことにし、一旦ホーエンバーデン城へ戻る。


「鎖と牡牛で何をするつもりなの?」とローザが質問してきた。

「釣りさ」

「釣り?」


「牡牛を餌にして、飲み込んだところでリンドドレイクを陸上に引きずり上げ、そこを叩く」

「そう上手くいくかしら」

「まあやるだけやってみるさ」


 ──駄目なら次の策を考えるまでだ。


 翌朝。鎖と牡牛を受け取ると、フリードリヒ一行はテレポーテーションでマイン川へ向かった。


 川岸から川の中を透視しながらリンドドレイクの影がないか探っていく。


「私たちを餌だと思って向こうから陸に上がって来てくれると楽なのだがな」

 とフリードリヒが冗談半分で言う。


「私たちが餌なんて変なこと言わないで」

 とヘルミーネから反応がある。怖いのはお化けだけじゃないのか?


 しばらく行くと深い淵の底にそれらしき影をフリードリヒは見つけた。


「あの淵にいそうだな」


 幸い、近くに2本の大木があったので、鎖の片端を8の字に絡ませると金属魔法で接合して固定した。

 反対の端を牡牛の体に絡ませると同様に固定する。


 牡牛を川の方に向かせると、尻に弱いファイアーボールを放った。

 牡牛は驚いて叫びながら川へ突進し、川へはまってしまった。

 牡牛は懸命に泳いでいる。


 肉食の動物は異常行動をとる獲物に惹かれる。本能的に弱っていると感じるのだろう。

 釣りをやっていると、かかった小魚に更に大きなヒラメなどの魚が食いつくことがよくあるが、これは異常行動をする小魚にヒラメが惹かれるのだ。


 牡牛を川で泳がせることなど普通はないから、リンドドレイクがこれに惹かれることは大いにあるとフリードリヒは読んでいた。


 そこへ期待どおりリンドドレイクが食いついてきた。すぐには鎖を引かず、リンドドレイクが十分に飲み込むのを待つ。


 リンドドレイクは異変を感じ、川底へと逃走を図る。鎖がどんどんと川へ引き込まれていく。


 そのうち鎖の長さがいっぱいになり、大木とリンドドレイクの綱引きとなった。


「旦那。鎖がいっぱいになっちまったぜ」としびれを切らしたヴェロニアが行動を急かす。

「大丈夫だ。しばらくこのままで奴が弱るのを待つ」

 さすがに大木2本は引っこ抜けないだろう。


 そのまま20分もすると鎖が少し緩んできた。


「もういいだろう。みんな手伝ってくれ」


 パーティーメンバー全員で鎖を引く。特にヴェロニアとローザの怪力には期待だ。

 フリードリヒも精神集中するとプラーナで筋力を強化する。


 しかし、向こうもまだ余力を残していたようだ。綱引きは一進一退でなかなか上がってこない。


「まだこんなに余力を残していたか。みんなもう少しがんばってくれ」


 だが、5分もするとフリードリヒたちが優勢となっていった。

 やがてリンドドレイクの姿が見える。


 体の半分が川から出ると、リンドドレイクも覚悟を決めたらしく、フリードリヒたちに襲い掛かってきた。


「よしっ。みんな武器をとって応戦だ!」


 メンバーが連携をとって応戦する。

 リンドドレイクは口から鎖を垂らしながらも必死に牙と爪で反撃してくる。要所で放たれる尻尾の攻撃も要注意だ。


 そのうちリンドドレイクは疲れて喘ぎ始めた。


「プドリス。やつが口を開けたところを狙って極大のファイアーボールだ!」


 プドリスは黙ってうなずくとファイアーボールを放ち、口の中に見事命中させる。

 リンドドレイクは気管と肺を焼かれ呼吸困難状態になり一気に弱っている。


 その機を逃さず、フリードリヒは剣の1本を鞘に納めるとすばやくリンドドレイクの背中に駆け上がり、両手で思いきり1本の剣を延髄に突きさす。剣は、そのままズブリと根元までめり込んだ。


 リンドドレイクは悲鳴を上げる間もなく絶命し、倒れた。


「みんなよくやってくれた」

 今回ばかりはフリードリヒ1人では無理があったかもしれない。メンバーに素直に感謝する。


 リンドドレイクをマジックバッグに回収してギルドへ報告に向かう。

「アレクさんならやってくれると思ってましたよ」とモダレーナが調子のいいことを言っている。

 ギルド職員は依頼するだけだからお気楽だなと思うフリードリヒ。


「今度こそSランクの昇格試験を受けてくれますよね。」

 とこちらが言いだそうとしたことを先に行ってくれた。

「ああ。ぜひ頼む」

「では、早速明日でよろしいでしょうか」

「構わない」


    ◆


 翌日、ギルド裏にある試験会場に指定時間に行くと試験官が2人で待っていた。

 1人はAランク試験の時の長身の試験官で、もう1人は若干背が低いが筋肉質な感じだ。


「Sランクは試験官が2人になるのですね」

「いや。そう決まっている訳じゃないが、相手が白銀のアレクじゃな。俺1人じゃ不安があるんで助っ人を呼んだ。悪いが今日は2人いっぺんに相手をしてもらう」

「では、私は今日も2刀流でいかせてもらいます」


 フリードリヒは木刀を受け取り、軽く素振りをしてみる。前回の感覚はだいたい覚えている。前回同様、速さが稼げる分、こっちに有利だ。


 今回も放出魔法も身体強化もなしの肉弾戦で挑む。


 フリードリヒは戦闘に向けて瞑想状態に入る。


「用意はいいか。」

「はい。いつでも」

「では、いくぞ!」


 試験官はいきなり2人同時に攻撃してきた。

 これを左右それぞれで受けて軽く横に流す。

 おそらく試験官もSランク。これを2人となるとさすがに瞬殺とはいかない。


 10数合打ち合って、助っ人の試験官に乱れが生じたのですかさず胴に入れる。これで1人かたずいた。


 こうなればこっちのペースだ。それから10合ほど打ち合ってから試験官の首に木剣を突き付けた。


「いやー負けだ負けだ。やっぱり白銀のアレクは強いな。2人がかりでこれだ。」

「ありがとうございました。」


 こうしてフリードリヒはSランク昇格を果たし、ミスリルプレートを手に入れた。


    ◆


 ここはある都市の郊外の建物の地下室の中である。


 暗がりの中で男が密談口調でしゃべっているが人影は1人しか見えない。

 痩せぎすで目が落ちくぼんだ老人で、真っ黒な魔導士風のローブを着ている。


 老人は水晶玉のようなものを覗いている。遠隔地と通信するアーティファクトのようだ。


「プラチドゥス。例の物の調子はどうだ?」

「ようやくダークオーブの操作方法がわかりましてございます。完全に起動させるには、この世に未練を持った魂を十分に吸わせる必要があるようです。」


「よくやってくれた。で、起動後の実験体はどうする?」

「アルプスに住む氷竜ではどうかと思っております」


 氷竜は属性竜のうち水属性を持つ竜である。数千年生きると言われており、数百年生きたものをエルダー、千年を超えて生きたものをエンシェントという。エルダー以上の竜は霊力を得て神秘的な力を授かっていると言われている。


「なるほど。手始めにはちょうどよい」

「エルダーやエンシェントですとレジストされる恐れがありますので、まずはエルダー一歩手前のもので試してみようかと…」

「それがよかろう。では、結果を楽しみにしておるぞ。十字団万歳ハイルクロイツァー

十字団万歳ハイルクロイツァー


    ◆


 ある夜。フリードリヒは夢を見た。


 黒いローブを着た魔導士が黒魔法で氷竜を精神支配しようとしている。男の姿形はぼんやりしてよく見えない。認識阻害の魔法だろうか?


 氷竜は魔法に必死にレジストしており、苦しそうだ。苦し紛れにそこら中に氷のブレスを吐き、暴れまわっている。


 ワイバーンの群が巻き込まれ、混乱をきたして逃げ回っている。


 フリードリヒは、そこで目が覚めた。

 先ほどの夢はかなりクリアに覚えている。フリードリヒは基本的に夢を忘れる質なので、クリアに覚えているものは予知夢であることが多い。


「先ほどの夢は何だ。予知夢としても何の意味がある?」


    ◆


 フリードリヒのパーティーがリンドドレイクを討伐した噂は瞬く間にバーデン領内に広がった。Sランクとはいえ、限りなくSSに近い討伐対象だからだ。


 冒険者たちは誰もがフリードリヒが近いうちにSSランクに昇格するであろうと予想していた。


 フリードリヒがギルドに寄るとモダレーナに呼ばれた。

 フリードリヒにフライブルクの町から直々に指名クエストがあるというので、説明を聞く。


 黒の森シュバルツバルトのヘルツォーゲンホルン山へワイバーンの群が住み着き、度々フライブルクにやって来ては住民が被害にあっているという。どうやら人間の味を覚えてしまったらしい。

 クエストの内容はヘルツォーゲンホルン山に住み着いたワイバーンを間引くことだった。


 ワイバーンは、前肢と翼が一体化したタイプの比較的小型の翼竜でランクはSS。コウモリのような皮膜の翼に、やじりのように尖った尾を持つ。通常は高山地帯をねぐらとしている。


 ヘルツォーゲンホルン山は標高1,500メートルに満たない山で決して高くはない。ワイバーンにとってはあまり住みやすいとは思えないが…。


 そこでフリードリヒは予知夢のことを想い出した。


 ──アルプスあたりの高山から追い出されたということか。


 そうすると例の氷竜のことも気にはなるが、当面はワイバーンに集中すべきだ。


「わかった。指名ということであるし、クエストを請けよう」


 フリードリヒたちは、一旦ホーエンバーデン城に戻ると旅支度を整え、テレポーテーションで急ぎフライブルクへ向かった。


 フライブルクは、黒の森の南部に位置する都市で正式名称をフライブルク・イム・ブライスガウという。バーデン=バーデンからは100キロ以上離れており、テレポーテーションで来て正解という場所である。


 フライブルクへ到着すると間もなく、森の方からやってくるワイバーンの群が見えた。3頭ほどいる。急いできたかいがあった。


「町へ侵入される前に、まずは奴らを地上へ引きずり落とす。後衛陣は翼を狙って攻撃だ」フリードリヒは指示をだす。


 まずはネライダ、ベアトリス、プドリスがそれぞれ弓と魔法で翼を狙い攻撃する。

 が、ワイバーンの翼は前肢と翼が一体化しているため丈夫で、なかなか地上に落とすことができない。


 地上に落とせなければ、前衛・中衛陣は手も足もでない。


 ──ここは俺がやるしかないか。


 フリードリヒは魔法の杖を取り出すと、これに跨り一気に空へと飛翔した。


「えっ!主様は空も飛べたのですか」とネライダが驚いている。他のメンバーも同様だ。

 そういえばメンバーの前で空を飛ぶのは初めてだったかな?

 最近はフリードリヒもメンバーの前では実力を秘匿することにこだわらなくなってきていた。


「前肢がダメなら尻尾だ」


 ワイバーンは飛行するとき尻尾でバランスをとっている。これを切り飛ばせば垂直尾翼を失った飛行機のようにバランスを崩すはずだ。


 フリードリヒはワイバーンとすれ違いざまに剣を一閃させると、ワイバーン尻尾の中ほどから先を切り落とした。

 予想どおりワイバーンはバランスを失い、ふらふらと地上へと落ちていく。


「後は頼んだ」とフリードリヒは地上のメンバーへ声をかける。


 まとめて来られると厄介なので、戦略としては1頭ずつ地上に落とし、各個撃破していくのがいいだろう。


 地上の戦闘の様子をみながら、残りの2頭を順次地上に落とすことにする。

 それまでは空中で適当に相手をしながら足止めをしなければならない。


 しかし、2頭同時に相手をするのはたいへんだ。

 1頭と剣を使い空中戦をしながら、もう1頭の注意が地上へ向けば、魔法を放って注意をフリードリヒの方へ向けさせる。


 一方、地上に落とした1頭は尻尾を既に使えなくなっているので、牙と爪で前衛陣に襲い掛かった。

 前衛陣は今までおあずけを喰らっていたので張り切っている。


 ローザとカタリーナがそれぞれ左右の前肢に深い傷を負わせると、ひるんだ隙にヴェロニアが心臓にハルバートを突き刺した。

 これで1頭目。


 これを確認したフリードリヒは2頭目を地上に落とす。


 2頭目はプドリスがワイバーン口の中に極大ファイアーボールを放ち、肺を焼いて朦朧としたところを、ローザが大剣のクレイモアで首を切り落とした。

 プドリスはリンドドレイク戦で肺を焼く戦法に味を占めたようだ。


 最後の1頭はフリードリヒ自らが仕留めた。尻尾を切り落としてふらふらしているところを背後から襲い、首を切り落とした。


 そこで町の方から歓声が上がった。街の住人たちが遠巻きにして戦闘を見守っていたらしい。


 町のお偉いさんらしき男が進み出てきた。

「あなたがアレクさんですね。この度はどうもありがとうございました」

「礼はまだ早い。ヘルツォーゲンホルン山に仲間がいるだろう。これから狩ってくる」

「これは失礼しました。どうぞよろしくお願いいたします」


 メンバーとともに、ヘルツォーゲンホルン山に向かうと、更に5頭のワイバーンがいた。

 ワイバーンたちは、フリードリヒたちを発見すると、飛翔して向かってくる。


 戦い方はわかったとはいえ、この数は少しきつい。


 フリードリヒはまず1頭を地上に落とすと、残りの4頭を空中戦で相手をする。

 しかし、全部の注意を引き付け切れない。


 1頭がメンバーたちの戦っている地上へ向かっていく。

 が、そこは後衛陣が頑張ってくれた。弓と魔法で懸命に牽制する。


 前衛陣が1頭目を倒した。

 すかさずフリードリヒは地上を襲っているワイバーンの尻尾を切り落とした。


 直ぐに反転して、空中の3頭の相手をする。


 こうして、フリードリヒが空中戦で2頭を仕留め。残りはメンバーが仕留めることとなった。


「だーーーっ!連戦はきついぜ」とヴェロニアは一声高く呟くと地面にごろんと横になった。


「ヴェロニアさん。だらしないですよ」とベアトリスが小言を言うが、他のメンバーも地面にへたり込んでしまう。これは仕方がないだろう。


「みんなご苦労だった。今までで一番厳しい戦いだったが、大きな怪我がなくてよかった」

 とフリードリヒは皆を労う。


 小休止した後、ワイバーンをマジックバッグに回収すると、フライブルクの町へヘルツォーゲンホルン山のワイバーンも討伐したことを伝えに戻った。


 例の町のお偉いさんに討伐したことを報告する。


「そう思って、祝いの宴を用意しているのです。ぜひ参加していってください」

 と誘われた。なんとも準備のいいことだ。失敗するという想定はしなかったのだろうか?


 宴になるとフリードリヒやメンバーたちのところに町の人々が次々とお礼を言いにやってきた。

 中には犠牲者の遺族もいて、「よくぞ敵をとってくれました」と涙を流しながら感動している。


 ──こういう風に素直にお礼を言われるのも気持ちのいいものだな。


 フリードリヒは晴れ晴れとした気分に浸った。


    ◆


 祝いの宴は深夜にまで及んだので、その日はフライブルクへ泊まり、翌日、バーデン=バーデンのギルドへクエスト完了の報告に行った。


「ワイバーンを計8頭もですか!」とモダレーナは驚いていた。


「SSランク昇格はほぼ間違いないと思いますが、幹部による審査がありますので、少々お待ちください。結果が出たら直ぐにお知らせします」


 翌日。モダレーナからSSランク昇格の連絡があった。フリードリヒは神聖帝国でも十人程度しかない希少なアダマンタイト冒険者となったのだ。


 SSランクのワイバーンを一気に8頭も討伐して昇格したというニュースはバーデン領内を駆け巡った。

 そして、冒険者たちはフリードリヒのSSSランク昇格も夢ではないだろうと噂しあうのであった。

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