第3話 退院しました。(2021.01.27)

 みやびです。

 ええと、どこまで話したっけ?


 ……そうそう、入院病院でコロナ陽性者が発見されたというところまででしたね。

 これが1月4日。


 そこからが大変でした。

 わたしたち入院患者にも当然のように移動制限が掛かります。具体的にいうと、階を跨ぐ移動は禁止。同じフロアの中でうろうろするだけに留めてくれと。


 まあ、動こうにも、そもそも私はヘルニアで痛くてベッドに貼りついたままなんですけど。


(ちなみに、入院当初からこの病院は現在の社会状況を鑑みて面会禁止になっていました。差し入れなども受付経由で渡してもらうのみ。ただ、場所と時間を選べば、携帯電話の使用はOK。おかげであまり不自由は感じませんでした)


 ここから一週間ほどは病院内でもかなり緊張感漂う状況で、空気が張り詰めていました。先生も看護士さんたちもテレビで見慣れていたコロナ対策の防護服に身を包み、それまで掃除などで出入りしていた人たちも制限されて入れず、院内は最小限の人間で運用しているようでした。検温も基本的に非接触の検温計で。

 食事が完全にお弁当になってしまって、レパートリーが減ったのが悲しかったです。


 そして、全員に抗原検査。

 手元のメモを見ると、わたしの抗原検査は1月8日で、結果は翌日の9日とのこと。

 陰性でした。

 どうやら、最初の陽性の方以外には陽性の方は出なかったようで、1月の12日には、最初の陽性の方も職場に復帰した模様。このあたりで制限も解除されて、入院したときの状態が戻ってきました。


 そして、この間にみやびの容態はどうなっていたかというと。


 徐々にではありましたが、痛みは減りつつありました。

 相変わらず、下手に動くと痛みで気を失いそうになるのですが、安静にしていればだいぶ痛みを我慢できるように。


 1月14日に担当の方と今後の相談。

 手術をするにしても、そもそも今のコロナ下の状況だと受け付けてくれる病院がなかなか見つからないこと、治療としては痛み止めを飲んでの安静治療(まあ、ようするに寝とけってことです)しかないこと、などなどを説明されまして。

 つまり、安静治療だと、家で寝ているのと変わらないってことですね。


 とはいえ、ベッドから一歩も動けない状況では自宅に戻っても何かあったら困ります。現在、私はひとり暮らしですし。せめて歩いてトイレには行けないとなあ。

 というわけで、相談の結果、せめてフロア内を歩けるくらいまでは入院させてください、それができるくらいまで回復したら退院して自宅治療に切り替えます。

 ……ということで合意に至りました。


 この頃には、ベッドで寝ている分にはかなり痛みも減り(消えてはいない)、車椅子に掴まって──車椅子に座ったほうが痛いので──移動すればトイレまで往復できるほどにはなっていました(ただし、ベッドに戻ったときには痛みで息が荒くなっており、数分間ほど歯を食いしばって耐えないと痛みが引かない状況ではある)。


 そういえば、こんなことがありました。

 12日前後だったと思うのですけれど、まだトイレへの往復がとても辛かった頃に、息も絶え絶えになってベッドに戻ってきたときに、ちょうど血圧やらを計ってくれる看護士さんが来ていたことがあります。手を貸してくれるわけでもなく、ただじっとベッド脇に立っているだけで、とくに何も声を掛けてくるわけでもなかったので(こちらとしても痛みで応答できる状態でもなかった)、そのまますれ違うようにベッドに倒れ込みました。看護士さん、何も言わずにただじっと立ってこちらを見ている気配だけが伝わってきます。診察したいのかな、とも思ったのですが、何か言い出す様子はなく。痛みが引くまでは顔をあげるのも億劫だったので、そのまま耐えていたのですが。

 なんとか頭にかかっていた霧が晴れたころ。

 ぽつっと看護士さん「回復まで2分というところですか。痛み収まりました?」。

「あ、はい。なんとか……」

 答えてから気づきます。

 

 ──あ、なるほど。それで何も手助けせず、何も言わず見てただけだったのか。


 条件を同じにして、こちらの息が収まるまでの時間を冷静に計っていたわけですね。

 そこで思い返してみると、前に同じ行動を取ったときは痛みが収まってくるまで10分以上かかっていた気がします。


 これで思いついて、トイレまで往復してベッドに倒れ込んだときにスマホのストップウオッチを動かして、回復までどれくらい掛かるか計るようになりました。

 そうすると、確かに日々すこしずつですが、回復までの時間が減っているような?


 この回復時間が退院の目安としていた20日頃には1分を切ってたので、わりと家に戻ってもだいじょうぶだろうという気にはなれました。計測って大事ですね。


 というわけで、特に報告するような特殊なイベントは起きず、日々すこしずつ痛みが収まってきまして。

 1月20日の水曜日に無事、退院しました。


 まあ、退院時の移動で痛みがぶり返したときには、しまった、もう2、3日入院しておけばよかった! と思いましたが。


 まだ長時間椅子に座ったり、歩き回ったりするのは無理なのですが、少しずつ稼働時間を増やしていければなと思っています。


 FQシナリオコンのコメント書きも溜まってしまっておりますし、そろそろ小説のお仕事もしないといけません。

 

 昨年は1冊も本が出せませんでしたので、今年こそは何とかしたいものです。

 お仕事の依頼も募集中。今年はがんばるよ!


 どうぞ、みなさま、本年もよろしくお願いいたします。


はせがわみやび

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