第3話

一先ず資料室に向かいつつ後の二人と会話をする事にする。


「そう言えば犯罪なんてかなり難易度高いよな。因子使いすぎたら特定あっさりされるんだろ?なのに警察とか防衛側は使い放題なんだから」


「まあ要は因子情報はアバウトな指紋情報見たいな物だからな。だから防衛側の人数が集中し無いように策を練ってきているのだろう。武装は戦う為と言うより金庫破りをする為と逃げる為に持ってる方が主目的なはずだ。全くの無能力で色々な能力を持ってる奴に勝てる技量が有るなら戦うのが仕事の職業に行けばそれなりに成り上がれるはずだし」


「じゃあ能力抜きの強さ自体は其処まででは無いと見て良いって事か?」


「能力抜きで強いなら一部の仕事である程度は成り上がり易いから、其方の方が安定して稼げるだろうと言う話で、必ずしも犯罪者に弱い奴しか居ないと言う訳では無いだろう。それに全くの無能力者として行動し無くとも所有者の多いポピュラーな因子なら別段使っても問題無いはずだ。まあ今回の場合は【転移】系がレアだからそれ以上情報を与えたく無いのだろうな」


「まあ犯行に既に【転移】系を使った以上、【転移】系は他の犯行に使っても特定される危険度は同じか。」


「…それだと追い詰めでもしたら他の因子使ってくる可能性あるんちゃう?」


「無くは無いが、それをすればするほど特定は容易く成るだろうし、ある程度以上使ったら国外に逃げないと厳しいだろうな」


「何でもありって本当色々と有るな…」


「まあ犯罪を捕まらずに行う難易度がとても高く成ってるのは良いことだろう」


「何でもありで犯罪を零に…は難しくとも、犯罪を行う難易度を上げる事は出来る…。か。」


「一応戦闘を頻繁に行う施設の中とか頻繁に大量に因子が使われる場所では因子的な特定は厳しい物が有るのでは無いかな?指紋データ程個人を特定出来ないし」


「そう言う場所は監視カメラなり何なりが普通に有るだろうし大丈夫なんや無いか?」


「何でも有りなら万全では無いだろうがな」


「ポピュラーな因子では互いに持ってるだろうから戦力差は然程産まれないだろうけど、でもレアな因子を使ったら特定されやすく成るとか、希少過ぎる能力や固有スキル的なの使ったら一発特定余裕やないかな」


「まあそれは確かに…」


「一応持ってる事を完全に隠せるならばそれまででも無いかも知れないが、少なくとも公式イベントとか監視カメラとかに映る場所でその隠してる因子を使うのがアウトに成るから、犯罪時では無く何時もの時にある程度の縛りプレイを要求される事に成るぞ。その隠してるのが便利な物に成れば成る程何時もが面倒に成る訳だ」


「旨い話はないんやね…」


「だが、レアな奴を大量に使わなければ良いだけの話じゃ無いか?」


「大前提としてレアな因子じゃ無いと防衛側も持ってるだろうから、そもそも戦闘上の大きなアドバンテージに成らない。つまり誰でも持ってる様な物以外の因子を使えば使う程一回一回の戦闘上は勝ちやすく成るが、そうすればそうするだけその犯罪した国の中で自分を捕まえようとする奴らに自分を探すヒントを与える事に成る。簡単に言えばそれをするのは犯人を探すネット検索の検索ワードを警察側に増やさせる様な物な訳だ。一定以上増やさせたら特定余裕に成るのも当然だな」


「犯罪者がその場の戦闘で勝つ事より出来る限り因子を使わず逃げる事を重視するのは当然な流れって訳やな」


「でも【転移】系だけなのは単純に戦闘に成ってないだけな気もするが」


「なら入手の比較的簡単な元素系くらいは警戒しといた方が良いかもな。ある程度の人数居たらそれぐらいは使ってきそうだし」


「よし。とりあえず戦闘で使ってきそうなのは解ったんで、さっさと地図取り行こうや」


同意を返し資料室へと急ぐ事にする。


そして資料室で地図を貰い先の部屋へと戻ってきて、少し待った所でボーグ少佐が戻ってきた。


「よし。戻ってきてた様ね。地図に場所をマークするから、地図を出しなさい」


「解りました」


そして地図を渡し、彼女が地図に印を書き込んでいる。


結果的に丸が付けられた場所は十カ所弱に成った。


「さて、まだ襲撃されてない上で条件を満たす銀行は八カ所に成るわ。これくらいなら動かせる人員だけで余裕で常時見張れるわね」


「ふむ。ではその内の一つにでも自分達も行く事にしますか」


「では、この銀行に行きましょうか」


そしてブランジア銀行へ自分達は行く事に成った。


さあ、張り込みだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る