Dialog:前夜
「なんか他になかったの?」
蛍光色の文字や文様で埋め尽くされたTシャツをつまんで、ケリーがうんざりと聞いた。
放棄区画の闇マーケットで仕入れてきた服で変装した三人は、似たりよったりの格好だ。派手なシャツやパーカー。破れたジーンズ。伊達メガネ。
「相手のイメージの外側を狙うのが変装の鉄則よ」
信号待ちで停車したジェニーが、それだけは譲れないらしいキャスケット帽をいじりながら答えた。
「このカッコならまあ、ドサ回りのガールズバンドくらいには見えるでしょ」
「歳に無理がある」
ルーシーの無慈悲な指摘を、ふたりは聞かなかったことにした。かわりに、後部座席を占領している彼女に向かってジェニーがたずねる。
「ルーシー、尾行は?」
「なし。連中も二日酔いかもね」
一夜明け、全員が二日酔いというお尋ね者にあるまじき不真面目さで半日を潰した三人は、夜中を待って再び行動を開始した。目的地は車で三十分ほどの港湾倉庫街だ。
半年ほど前、ジェニーたちが武器密輸組織を捜査していた時に、組織の所有らしき倉庫がいくつか浮かんだ。その時はまだ空だったが、ケリーに調べさせてみると、ここ最近物の出入りが定期的にあるのがわかった。
「密輸屋の上前をはねようってんだから、あたしらもすっかり犯罪者の仲間入りだ」
「なにを今更」
徐々に交通量の少なくなる道路を進み、倉庫街に入り込む。いくつかの路地を曲がり、ようやく目当ての倉庫を見つけ出した。一度通り過ぎ、手近な物陰にバンを停める。後部座席に放り込んでおいた大ぶりな空のバッグを取り出し、車を降りた。
人気のない倉庫街を忍び足で進む。
「なあ、こんな夜中のこんな所に、ドサ回りのガールズバンドが居ると思うか?」
「うるさいな。今この場所じゃ誰が居たって怪しいわよ」
「事実怪しいわけだし」
ひそひそと言い合いながら、三人は倉庫の裏口に回り込んだ。
ドアの鍵は旧式のカードキーだけだ。ちいさな赤いLEDが、殺風景な暗い路地にぽつんと浮かんでいる。
ケリーがドカードスロットの前にしゃがみ込む。
「行けそう?」
「ナメるな」
ケリーは不敵にそう言うと、肩から掛けたバッグからケーブルの伸びた機材を取り出した。平たいケーブルの先はカード状になっている。ケリーはそれを、ドアのスロットに差し込んだ。
機材の液晶がわずかに光り、ケリーの伊達メガネに映り込む。
ハッキングが進む間、ジェニーは倉庫の壁を見上げた。あの密輸組織の捜査はだれが引き継いだのだろう。チェルシーの突然の死で宙に浮いてしまった様々な事案は、やがて管轄が移り、あるいは捜査が打ち切られて、しかるべき所に収まっていった。自分だけが宙ぶらりんで、結局そのまま、市警からも漂い出てしまった。
そんな自分が、チェルシーが秘密にしていた捜査を追いかけて、とんでもない事態にはまり込んでいる。
液晶が点滅し、ドアのLEDが緑に変わる。ケリーがケーブルを引き抜いた。
「開いた」
ジェニーは頷き、ドアノブに手をかける。そのまま小さくつぶやいた。
「さて、何が出てくるかな…」
「武器でしょ」
怪訝そうなケリーに苦笑いして、ジェニーはドアを開けた。
事務所らしき小さな部屋を通り抜けると、三メートルほどの高さのスチール棚が立ち並ぶ倉庫に出た。棚にはライフル、ショットガン、拳銃など様々な火器が所狭しと詰め込まれている。奥の列には、手榴弾や爆薬のたぐいもあるようだった。
ルーシーが小さく口笛を吹く。
「こいつらは今、書類上はシンガポール行きの船に乗ってることになってる」
手近なライフルの銃床を撫でながら、ケリーが言う。
「密輸組織の連中が感づくのは、まあ今期末かな」
「オッケー。手早く済ませよう」
ジェニーがそう言って、各自が棚を物色し始める。
小型のペンライトを咥えたルーシーが、.30口径ライフルを抜き取ってためすがめつした後、肩に掛けた。箱詰めされた弾薬を無造作にバッグに放り込んでいく。それを見たジェニーが眉をしかめた。
「7.62mm?やりすぎじゃないの?」
「海でしょ?市街地に弾は流さないよ。可能な限り」
「可能な限り、ね…」
ケリーのつぶやきを聞き流しつつ、ジェニーは小型のアサルトカービンを手に取る。市警の射撃訓練で使った銃の短小化版だ。これなら慣れている。
同じものをケリーに押し付け、弾薬をバッグに詰め込む。その間に、ルーシーはもう他の棚に移っている。
「あんまり欲張らないでよ」
ジェニーの小言に軽く手を振って答えた。
三人はしばらく倉庫の中を物色して回っていたが、不意に、わずかな物音に気づいて動きを止めた。
「…車?」
ジェニーがそうつぶやいた時には、ルーシーはもう棚の上に飛び乗っていた。明かり取りの窓を覗き込み、外をうかがう。
「ウソだろ?密輸屋の連中が感づくわけ…」
「いや、違うみたい」
青い顔をしたケリーにルーシーが答える。
「ピックアップが一台。荷台に三人と…運転席に二人。あー、倉庫荒らしだな。あたしらと同じこと考える奴がいるわけだ」
「一緒にしないでくれる?」
「あ、うちのバンに気づいた」
ジェニーがげんなりした顔になる。
「ケリー、鍵は閉めたよね?」
「オートロック。ただ安物の鍵だったし、ちょっと知識のあるチンピラが混じってたら、危ないかもね」
「よその倉庫に行ってくれると嬉しいんだけど…」
ジェニーの希望を嘲笑うように、ドアの方から轟音が響いた。ケリーが鼻をひくつかせ、眉をしかめる。
「…さっきの訂正。アラームを焼き切ってドアごとブチ破るつもりだ。脳筋のゴリラどもめ」
「そりゃゴリラに失礼だ」
棚の上のルーシーは窓を開け、辺りを素早く見回す。
「どうするつもり?」
「荷物集めて、どっか隠れてて。五分で戻るよ」
言うが早いか、ルーシーはそのまま窓の外に身を躍らせた。残された二人はしばらく顔を見合わせたあと、言われた通りに荷物をまとめはじめた。
「あいつ、『自分が戻らなかったら』とか言わないよな」
「自分でダメならあたしらでもダメってわかってるんでしょ」
ジェニーは棚の陰に身を隠すと、まとめた荷物を足元に置いた。ケリーは奥の荷造り場らしき所で、積み上げられた強化樹脂コンテナの陰に潜り込む。
ジェニーが脇の拳銃を抜く。スライドを引こうとして、ふと棚に積まれた弾薬に気づいた。マサカドに襲われた日、奮発して買った高初速10mm徹甲弾だ。今頃は受取人不在で返品されているだろう、
(くそ、あそこで買わなきゃよかった)
そう思いながら、一箱とってポケットにねじ込む。
断続的に響いていた打撃音が、唐突に止んだ。二人はそのまま様子を窺っていたが、出入り口側からはそれきり物音はしない。やがて、先ほど開けた窓からルーシーが再び這い込んできた。棚をつたって床に降り、顔に巻いていた黒いストールを外す。
「ただいま」
「…おつかれ」
コンテナの陰からケリーが顔を出した。
「片付いた?」
「まあね。十分は目を覚まさないと思うから、さっさと帰ろ」
そう言って自分のバッグとライフルを担ぎ上げると、ルーシーはすたすたと出入り口に向かった。二人もそれに続く。
外に出ると、男が三人、ドアの前で伸びていた。巨大なハンマーを持った男は、両腕を強化義肢に置換している。三人とも、目立った外傷は無い。
「…昔と比べて優しくなったね、あんた」
ジェニーが感心したように言った。
「死体は出さない方がいいんでしょ?」
ルーシーが面倒臭そうに答えて、男たちを跨ぎ越えていく。
ピックアップのそばで同じように伸びている二人を横目に、荷物を抱えた三人はバンにたどり着いた。トランクと後部座席に荷物を放り込み、シートをかぶせる。
「結果的には良かったんじゃない?」
バンに乗り込みながら、ジェニーが言った。
「万が一この盗みがバレても、疑いはあの連中に向くでしょ」
「あたしの仕事を疑うのか?追われるような痕跡は残してない」
「保険よ、保険」
心外そうなケリーをなだめつつ、エンジンをかける。
「意外にいい品揃えだったな」
荷物を眺めながらルーシーが言う。普段より多少上機嫌そうだ。
「新興組織だっていうから、気張ってたんでしょ。まあ仕入れより設備投資の方を優先しておけば良かった、って事になるんだろうけどね、今回の件で」
バンが走り出し、法定速度ぴったりで車の流れに乗る。ハンドルを握ったジェニーが、思い出したように助手席に声をかけた。
「ケリー、ダッシュボード開けて」
ケリーが手を伸ばす。ダッシュボードの中には、封書が一通入っていた。
「次の角で停まるから、そこのポストにそれ、入れてきて」
ケリーは思い切り不機嫌な顔になったが、封書をつまみ上げ、うなずいた。
翌日、ケリーはチェルシーの調査資料と、SOCのカネとモノの動きを交互に見ながらソーシャルハックの準備にとりかかっていた。
「あの海中施設には、企業軍の傭兵が常時十二人態勢で詰めてる」
オーガニックチョコバーを齧りながら、ケリーは説明した。
「装備はアサルトライフル、ショットガン、サブマシンガンてところ。爆発物はスタングレネードがあるくらい」
「施設警備としちゃ順当なところね」
ケリーの端末画面を覗き込みながら、ジェニーが言う。
「施設の部隊から応援要請が出た場合、遅くても十五分以内に二十四人が到着可能。それ以上の場合は一時間。ヘリポートは近くに無いから車両頼み」
「最初の二十四人はどうにかする」
盗んできたライフルに油をさしながら、ルーシーが言った。ちょっとした用事を請け負うような、気楽な口調だ。
「その一時間がタイムリミットだな」
「あんたが施設の正面玄関で暴れて、中の兵隊を引きつける。それを見計らって、あたしとジェニーが施設に入り込んだら、即座に出入り口をロックする。中に残った警備を無力化して、生中継開始。騎兵隊の到着まで粘る、と」
そこまで言って、ケリーは天井を仰いで唸り声を上げた。
「とても成功するとは思えない…」
「ここまで来たんだから、いい加減腹くくってよ」
「そうそう。マシな方だよ」
ライフルのボルトがガシャリと動き、ぱちん、とトリガーの落ちる音がした。
「あたしがコロンビアでRECONやってた時なんかさ…」
「聞きたくもないわ」
「あ、それで思い出したけど」
ジェニーがルーシーの方に振り返る。旧友はライフルを組み立て直して、壁に立て掛けたところだった。
「ルーシーのギャラ、どうしようか。あたしそっち方面の相場は詳しくないんだけど」
「ジェニー、いまカネあるの?」
いくらかは、とジェニーは答える。
銀行の口座は当然監視されており、ATMに現金を下ろしに行くどころか、足がつくことを考えればクレジットカードでの買い物も出来ない状況だった。だが、ジェニーは先日渡された増額経費の振り込み直後に、その全額を現金と暗号化信用小切手として引き出していた。今の所、まだ底をついてはいない。
「まあ足りないようだったら、分割払いにしてもらわなきゃいけないけど」
ルーシーはしばらく考えるふうだったが、やがて面倒くさそうに
「いいや。べつに」
とだけ言うと、バッグの中をかき回し始めた。
「いいや、って…ギャラいらないの?」
ジェニーは呆れたような声で聞いた。ルーシーは、なにか信号拳銃のようなものをバッグから取り出し、調べ回す。
「古馴染みの頼みだし。今回はあれだ、私闘ってやつ」
「なんだよ、それじゃあたしが血も涙もない守銭奴みたいじゃないか」
ケリーの文句を聞きながら、ルーシーは異様な拳銃を脇に置いた。
「今はカネに困ってないんだ。ほら」
そう言うと、ルーシーはジャケットの胸ポケットから何かをつまみだした、小さな黒い布袋で、細い紐で口を閉じてある。
「あんた、まさかそれ…」
ジェニーの言葉にかまわず、ジェニーは袋の中身を手のひらにあけた。
転げだしてきたのは、五つの小さな、半透明の粒だった。形はまちまちだが、それぞれ二センチほどの直径がある。
未研磨のダイヤモンドだ。
「帰ってくる時、ギャラがわりにね。どっかで現金に変える必要はあるけど」
唖然として手のひらを眺める二人に構わず、ルーシーはダイヤを袋に戻した。
「しばらくのんびりしたら、またどっかで仕事を探すよ。中東かな…」
「傭兵稼業ってのも気楽だな」
「いいもんだよ。ケリーもやる?」
やめとく、とだけ言ってケリーは端末に向き直る。
そのままハッキングの準備に没頭する彼女を横目に、ジェニーはルーシーの方を手伝いにかかる。密輸組織の倉庫から盗んだ砲弾や爆発物を、剣呑な自作トラップとして組み立てる。ルーシーは鼻歌交じりだ。
「ビールでも買ってくりゃよかった」
「酒飲みながらこんなの扱わないでよ」
やがて作業が一段落し、簡単な食事をとった後は、もう少し詰めたい、というケリーを残して二人は寝ることにした。ビーチチェアに横になり部屋の明かりを落とすと、ケリーの操作する端末の明かりだけが浮かび上がった。
しばらく、三人とも無言だった。
やがてジェニーが、誰にともなく言った。
「理由がわからないんだよね、結局」
「…なに?」
ケリーが反応しないので仕方なく、といったふうにルーシーが答える。
「チェルシー…死んだ相棒が、あたしにこの件を残した理由」
ルーシーが、ああ、と相槌をうつ。ケリーは明滅するモニタの前で動かない。
「社会正義とか、警察官としての矜持とか、そういうのは似合わない女だったけど、少なくとも、弱い者いじめは嫌いな奴だった。だから、直接的な理由はそこなんだろうと思う。でも…」
そこまで言って黙り込む。ビーチチェアの上でルーシーが寝返りをうつ音がする。
「なんで生きてる内に、自分に言わなかったのか?」
「…まあ、そういうこと」
ルーシーがふうん、と言い、ケリーの操作する端末の明かりが明滅する。
「あたしに内緒で調べてただけなら、まだいいよ。でもそれなら、なんで自分が死んだ後のために、記憶屋に情報を残したりしたのか、って話。あたしが調査を引き継いだのは偶然なのに」
「…そんなに不思議な話でもないような気がするな」
意外な返事に、ジェニーは視線を奥のビーチチェアに向ける。
「あたしをドイツにつれてった奴、覚えてる?」
「あのEU軍の中佐?」
「その男から聞いた話。アゼルバイジャンだったかな…ずいぶん歳くった傭兵のおっさんがいてさ。頭も切れたし場数も踏んでるから、一目置かれてた。でも、ある晩に狙撃手にやられて、夜明けに死んだ」
ルーシーは体を起こし、チェアに座った。
「そのおっさんが死に際に、いつも首から下げてたピルケースを、可愛がってた若いのに渡したんだと。中にあったデータメモリには、どっかの国の国家元首が、十五年前の虐殺に関与したって証拠が入ってた。おっさんの故郷だったそうだよ」
一度言葉を切り、ルーシーがあくびをする。かきあげた髪が揺れて、薄明かりに淡く光った。
「若いのはその国に行って、そのネタを使って政権を倒したってさ。…あの男が言うには、傭兵のおっさんは、その国家元首の古馴染みだったらしい。故郷から追い出されて傭兵になったって。『自分じゃ殺せなかったんだろう』ってあいつは言ってた」
ジェニーは暗がりの中で沈黙していた。寝返りをうち、暗い天井を眺めながら、旧友の話を聞いている。
「その相棒、チェルシーだっけ?この件は多分、そいつの中じゃ個人的な事だったんだろ。他の誰にも関わらせないような。けど調べる内に、世間サマから見ても立派な悪事だってのが見えてきた。でもその相棒は、おおっぴらにそれを追えない。そいつにとっては、個人的な問題だから」
ルーシーがふたたびビーチチェアに倒れ込んだ。骨組みがぎしりと音を立てる。
「記憶屋にネタを残したのも、それを分かりづらく隠したのも、あんたにそいつを挙げてほしいと思ったからじゃないの。できれば自分が死んでから。まわりくどい奴だね」
「あたし、警官辞めちゃったけど」
「そのくらいは誤差だろ」
ルーシーはそう言って、ふたたびあくびをする。睡眠を至上の娯楽とする彼女にとって、この会話が破格の忍耐であることは確かだ。
天井を見上げながら、ジェニーは呟くように言う。
「その『個人的な事』って、なんだったと思う?」
「知らない」
予想通りの返事に、ジェニーはため息を返す。
「仲間内で詮索しないのが傭兵の流儀。なんだっけ、神の要塞は聖なるもの、だっけ?」
「要塞じゃなくて神殿」
作業に没頭していると思っていたケリーが、唐突に口を開いた。
「Templum enim Dei sanctum est, quod estis vos.」
「それだ」
答えるルーシーの声は、睡魔の侵攻が決定的になりつつあるのを示している。
「そういうこと」
「いや、どういうこと」
ジェニーの言葉にも、もはや返事はなかった。しばらく沈黙があったあと、穏やかな寝息がわずかに耳に届く。
「…神の要塞、か」
「だから神殿だってば」
ジェニーの呟きを、ケリーは律儀に訂正する。彼女の背中に顔を向けて、ジェニーは聞いた。
「ねえ、あんたにもある?」
「なにが」
「『個人的な事』ってやつ」
忙しなく明滅していた端末の画面が、急に止まった。ケリーの背中はじっと動かない。ジェニーが訝る。
「ケリー?」
「もう寝ろよ」
画面の動きが再開する。ジェニーは、あんたもね、と言って、やってきた睡魔に身を任せた。
黒いタンクトップの上にある燃える様な赤毛が、残像のように瞼に残った。
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