第486話 僕を知っている人たち

 今回はユニークな人間関係の展開の話。

 長い間、ラジオにメールしているとたまにパーソナリティの人が僕のことを認識することがある。もちろん、相手は僕の顔も声も知らないけど、ラジオネームと、あるいは本名と住所くらいは知ってるかもしれない。

 本気でラジオにメールしてしまうと恥ずかしいと思いながら、一つの番組に週に四、五通は送る。できるだけ色んなテイストのメールを送るようにしているけど、つい最近、二つの番組で僕に関してパーソナリティの人が口走った内容が全く同じで驚いた。つまり、僕は少なくとも二つの番組で同じような印象を、メールの積み重ねから持たれている。嬉しいけど、かなり驚いてしまった。

 さて、ジョギングも趣味で続けているのですが、犬を散歩している人とすれ違うことも多くて、僕はなんとなく走りながらその犬を凝視することが多い。飛びつかれるのが嫌とかではなく、なんとなく好奇心で見てしまう。で、不意に見知らぬ犬を散歩しているおばさんが声をかけてきて、どうもこれからすれ違ったら挨拶くらいはすることになりそう。ちなみに、僕とほぼ同じコースを逆に走ってるジョガーの男性もいるけど、こちらは目線を交わしてすれ違う感じになっている。

 というわけで、きっとカクヨムとかそれ以外でもあるんだろうけど、僕のことを僕が知らぬ間に認識している人がいるっぽい。不快ではないけど、僕としてはちょっとビビる。YUIさんの曲だったと思いますが、「二回会ったら友達だなんて嘘はやめてね」みたいは歌詞があった。僕はあまり友達を作るのが上手くない。それがコンプレックスというわけでもなく、そういうものだろうと割り切ってます。しかし、こうやって外堀を埋めるというか、些細なことから大人の人間関係は出来上がるのかな、と思った。それを言ったら大人云々ではなく、学校における急激な人間関係の成立の方が特殊なのかもしれないけど。もう昔のことすぎて思い出せないけど、高校生の時、どうやって友達を作ったのか、不思議すぎる。

 ラジオに関して言えば、リスナー、特にメールを投稿しているリスナーはよく読まれるラジオネームに敏感ですね。きっと小説の公募と比べると双方の間の関係が生々しく、読まれると読まれない、名前が出る出ないの差を強烈に感じるせいでしょう。いや、よく分からないですが。

 それにしても、今のラジオネームは適当に決めたラジオネームなので、あまり認知が進んでしまうと僕自身が僕のラジオネームと僕を重ね合わせるのが困難になってしまうような。こんなラジオネームの乖離、独り歩きを実感することになろうとは、思わなんだ。くわばらくわばら。



2024/2/12

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