第467話 友達になれる
今回はちょっと、感動してしまった話。そして、個人的な「コメント」の話。
さなコン3の最終結果とフィードバックコメントが発表されまして、まぁ、事前に連絡がなかったのでダメなことは分かってました。しかし良い経験になりました。結構、自分的にはよくあることなんですが、選考を通過しようと考えて作品を作るとうまくいかない一方、なんとなーくラフに考えて作っていくとうまく行きますね。これはなんなのか。力みみたいなものが悪影響を及ぼすのかもしれない。
コメントに関しては、ほとんど他の人のコメントをチェックできていないのですが、僕に向けられたコメントは、なんというか、感動してしまった。「我々は友達になれる」というところが一番、感動した。きっとコメントを書いた人は直球ど真ん中で感想を書いたと思いますが、もう、ね、あまりに速い球が来たので動けない、みたいな(意味不明ですね)、もう、なんも言えない。
かなり前のことですが、MF文庫Jというレーベルが公募に送ってきた作品全てに評価シートを返す、ということをして、かなり新鮮でした。最初の数回は短編も受け付けていたので、きっと実家にその頃の評価シートがまだあります。もう一つ、講談社から出て、星海社に移ったまま動きがない「ファウスト」という雑誌がありまして、ここでも公募のようなことをして、やはり応募作品に簡単なコメントを返す、ということがありました。僕も二回くらい、コメントをもらいましたね。そのうちの一回が「奈須きのこの劣化版みたい。だが、とあるキャラクターは良い」みたいはコメントで、思わず笑みが漏れる感じでした。キャラクターの造形を褒められたことより、当時、かなり奈須きのこさんに心酔していて、劣化版でも奈須きのこさんに近づけたのが嬉しかった。MF文庫も「ファウスト」も、送った原稿の元データは手元にあるかないか、もはや分かりません。それくらい昔です。
今回のさなコン3では、非常にざっくりしたコメントもあって、なかなか難しいな、と感じましたね。実際問題、僕もライトノベル系の公募で何通か評価シートをもらってますが、この「評価シート」や「コメント」というものは、小学校でもらえる「通知表」のような形になる。「大きな声で挨拶をできてます」とか「授業に集中しましょう」とか、そんな感じのもので、では「授業に集中するにはどうしたら良いか」という部分は教えてくれない。そもそも「授業に集中」が何なのかも教えてくれない。「おしゃべりをしない」なのか、「手遊びをしない」なのか、そういう指摘がないようなもので、まぁ、小学生は通知表を読み込まないし、親がそれを読んで何かを考えるんでしょうが、作品が「子ども」で作者が「親」みたいな感じではあるか。
何事においても、どこを直したら良いのか、というところを指摘して欲しいという気持ちは誰もにあると思う。しかし創作においては正解はないし、人間そのものにも正解はないと思われる。数式だったら正解はあるだろうけど。いや、理系のことはよく知らないのですが……。
ともかく、正解は自分で探すしかないのかな、というような印象だった。僕はたまたま理解してくれる人がいて、ホッとしたけれども。
それにしてもいやはや、頑張って、作家の人と友達になれる人間になろう。
2023/9/13
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