第466話 どいつもこいつも本を買え! 買えったら買え!
今回も本の話。
えーっと、電撃文庫が三十周年ということで謎のムーブをしてまして、その一つに三枝零一さんの「ウィザーズ・ブレイン」の完結があります。この作品はいい具合のファンタジーであり、SFなので、オススメです。で、この作品のKindle本が先日までの三十周年記念のセールで微動だにしなかったのですが、最終巻の発売にあわせて、めちゃくちゃな値引き攻勢を仕掛けてきた。後半はほぼ半額なんですが、前半は七割引です。これは恐ろしい。僕はすでに全て買ってあるので問題ないですが、この七割引きには意味がありまして。「ウィザーズ・ブレイン」は全部で十のエピソードから成り立っているのですが、五つ目のエピソードが終わったところで役者が揃い、「ウィザーズ・ブレイン」という物語は六つ目のエピソードから実質的に始まる形で、今回の七割引の対象は第五のエピソードの巻までで、ちゃんと考えられてます。本当にいい作品なので、みなさん、第一巻だけでもいいので、読んでください。
さて、僕がこの「ウィザーズ・ブレイン」のセールに気づいた時、とあることが脳裏に閃きました。
これはもしや、「ブギーポップ」も安くなってるのでは?
というのも、このタイミングで上遠野浩平さんの「ブギーポップ」シリーズの最新刊で出るので、十分にセールの可能性はある、という理屈です。
で、調べてみるとまさか、全巻、半額だった。
半額……? 本当に? と目を疑いましたが、次には、いくらだ? 買えるか? と考えてました。
整理すると本編は最新刊を含めて二十四冊まであり、さらに外伝的な作品が四冊が二つある。合わせると三十二冊で、第一巻はすでに手元にあるのと、最新刊は値引きの対象じゃないので、押さえるべきは三十冊。
うーん、おおよそ三百円が三十冊? うへぇ……。九千円か……。
普通はここで躊躇して、買わないと思うのですが、僕は完全に正気を失ったので、こう考えました。
外伝は我慢しよう。それなら七千円もしない。七千円なら出せるかな……。
我がことながら、はっきり言って理解不能ですが、手元のお金をかき集めて行動は開始されていました。
というわけで、本編を二十二冊、買ってしまいました。えー……、これ、いつ読むの? まー、そのー、来年です。来年には暇になるはず。たぶん。おそらく。きっと。あるいは。ともすれば。推定。
それにしても、本を買う快感は筆舌に尽くし難い。こいつはやめられねぇ! という感じのものがある。しかし、とにかく読まねば。
みなさん、今の時代は安く、簡単に本が買えるので、どんどん買ってください。お金がかからないから、とネット小説に溺れている場合ではありません。売っている小説には間違いなく価値があります。ついでに、時間の洗礼を潜り抜けてきた作品には他にはない価値があります。それがお金を払う理由です。
とにかく買えったら買え! というのが今の気持ちです。
あぁ、さよなら七千円……。
2023/9/8
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