第460話 昨日の今日で驚きの展開

 今回は我ながらジャストタイムすぎて愕然とした話。

 まさに昨日、このエッセイの記事を作った時、CDを中古で買ったということを書いたのですが、今日になってみたらTwitter、ではなく、Xで、「ブックオフで買いました」と作家に伝えるのがマナー違反、というような主張があり、愕然とした。いや、しかし、Photon Maidenはマジで良いんですよ。新品で買わなかった理由は、経済的な理由です。

 さて、「ブックオフで買った」みたいなことをついつい言いたくなりますが、作家に言うのは確かに少し、空気が読めてない。かと言って、その発言が思わず口をついて出てしまう可能性は否定できない。それは単純に、「安く買いました」ということが「賢い」というような錯覚があるからだと思います。得をする、というのもあるけど、他人を出し抜く、みたいな感覚もある。CDで言えば、他人は5000円で買ってるけど、自分は2000円で買いました、となると、どうしても優越感のようなものが生じるし、それを口にしたくなる。これは作家、クリエイターに直接、口にするのはさすがマナー違反ではあるけど、もしかしたらその作者や作品の熱烈なファンからしても、不愉快な発言かもしれない。うまく言葉にできませんが、本当に本気で応援している人からすると、屈辱的かも。言葉が見つかりませんが。

 少し要素が違いますが、甲子園の決勝戦における応援の形がやはりXで話題になっていた。その中に、慶應のマナー違反の応援のせいで仙台育英が負けたというのは仙台育英を侮辱している、という趣旨の発言が見受けられる。なんというか、理屈はいくらでも作れるものだな、と思った。本当のところを理解して、本当のことを語れるのは仙台育英の選手しかいないわけで、仙台育英の選手が語っていないことを推測や憶測で補うのは、やや本筋とは違う。もちろん、マナーを守った応援をするのが絶対ですが、仙台育英の選手からしたら、おかしなところで勝手な話が膨らんでいて、困惑するのでは、と思ったりした。

 そんなわけで、作家に対して「ブックオフで買った」と告げるのはやや常軌を逸しているけど、作家の気持ちを勝手に想像して虚像を作り上げたり、逆に空気の読めない発言をする人の人間性に深読みして否定的になるのも、ある種の文章の文脈の読み間違い、読み過ぎのように思った。甲子園もそうで、選手の気持ちを想像し過ぎているのでは。昨日の今日で、そんなことを考えたりした。

 それにしても、ブックオフでの買い物は作家などに一切、貢献しないことはずっと前から理解していたし、理解しながら利用していたけど、ここまで公でその点を指摘される時代が来るとは思わなかった。正論だけど、やや息苦しくもあるな。


2023/8/25

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