第426話 そばに知ってる人がいないコンテンツ

 今回は、おそらく超マイナーであろうコンテンツの話。

 ここ半年くらい、ガンダム関係のアニメを見ているので、CMで、バンダイが展開している「30ミニッツ・ミッションズ」というコンテンツにかなり触れることになる。と言っても、まさにCMでしか触れないのですが、これが結構、面白い。プラモデルとして面白いというより、このコマーシャルが面白い、ということです。

 情報がだいぶ不足しているのですが、おそらく作るのに30分くらいのプラモデルで、コマーシャルの中のロボット同士の戦闘可能時間が30分、ではないと思われる。

 このロボット同士の戦闘の映像がユニークで、さまざまな環境で戦っていて、唸らされる。様々なバリエーションの装備だというのもいいし、そもそもの機体のバリエーションが良い。

 好きな場面は、宇宙空間でゆっくりと動きながら敵の射線を避けていく奴です。宇宙での戦闘だとどうしても高速の動きをイメージしますが、この緩慢な動作の方がしっくりくる。

 他では、刀を持っている機体が、こちらはいやに敏捷に動く。やや滑らかすぎる、機敏すぎますが、これはこれで夢がある。

 ロボットに様々なバリエーションを設定するのは、プラモデルとしては楽しそうではある。設定を練って何体も並べるとそれっぽくなりそう。

 これはずっと感じていて、ロボットの集団戦のイメージが「機動戦士ガンダム」から脱却できなくて、この「30MM」もやはり抜けきらないのですが、ただ、「30MM」は極端に掘り下げ、極端に幅を持たせたので、そういう意味ではガンダムから離れることはできるかもしれない。

 ロボットを描くにあたり、僕が感じる最大の違和感は、経済力です。どれくらいの財力があれば、ロボットを何十体、何百体と用意できるだろう。これはやや間接的に描かれましたが、田中芳樹さんの「銀河英雄伝説」で、自由惑星同盟があれこれあって、経済的に疲弊したり、人的資源が極端に消耗するのですが、例えば宇宙船みたいなものに乗組員を仮に五百人くらい乗せたりして戦闘になると、この船が最悪の形で沈むと、五百人がごっそりと失われる。これに比べるとロボット百体は人的には損耗が緩そうではある。しかしロボットともなると、歩兵に自動小銃を持たせます、というわけに行くわけがない。そもそもからして、ロボットを操縦できる兵士を育成するのは、自動小銃の撃ち方を練習させるのとは段違いに難しく、時間がかかるのは間違いない。まぁ、現実的というか、空想を働かせて考えると、人工知能がサポートするか、逆に人工知能に操縦させて人間に補助させるのかもしれない。それなら搭乗者の問題は回避できる。仮に無理やり回避したとして、ロボットの調達や整備はどうなるか。自動運転のロボットが主体の工廠をフル稼働させてロボットをどんどん製造させ、メンテナンス専用のロボットに戦場帰りの損傷したロボットを整備させる、ということか。それはそれで、凄いな。作品の主体がロボット云々というより、世界観そのものになっている。この線で細部まで突き詰めると、世界観として面白いのでは。

 しかし、ロボットは良い。永遠の夢だ。



2023/5/12

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