第399話 記憶が異常に刺激される要素
今回は懐かしい音楽から始まる話。
テレビで懐かしい曲が流れてくると、変に記憶が蘇って、空気の匂いさえも変わる錯覚が起こる。
まず、宇多田ヒカルさんの「Automatic」。これは大昔、家の近所に唐突に出現したブックオフが思い起こされる。そのブックオフでひたすら、いろんな漫画を立ち読みしていたんですが、その時に店内放送でこの曲が流れていたんだと思われる。当時の僕は宇多田ヒカルさんは名前は知っていたけど、CDを持ってなかったので、純粋に店内放送で記憶に刻みつけられたらしい。この曲を聞くとよく分からない香水の匂いを思い出す。店内に漂っていた匂いで、ここまで思い出すと困惑するほど、生々しく店内の空気が蘇ってくる。
次に印象深いのは槇原敬之さんの「ハングリー・スパイダー」で、この曲もやっぱり、頻繁に漫画の立ち読みに行っていた店を思い出す。この店は本来的にはレンタルビデオ店なんだけど、中古のゲームや漫画も売っていた。ゲオみたいな営業形態でしたが、まったく違う店名で、ローカルチェーンだったかも。この店も今はありません。「ハングリー・スパイダー」を聞くと、漫画がはっきり思い浮かんで、一つは「からくりサーカス」、もう一つは「遊戯王」です。特に「からくりサーカス」はこの店とも共鳴していて、序盤の部分を読むと、店のことを思い出す。当時はまさか自分が「からくりサーカス」のコミックを全巻揃えるとは、想像もしていなかった。
家の近くにあったコンビニも漫画と繋がっていて、このコンビニではひたすら雑誌を立ち読みしていたのですが、今になってみると嫌な客だっただろうなぁ。週に何度も行ってジャンプ、サンデー、マガジン、チャンピオン、全部読んでいた。いやはや、恥ずかしい。
これは不思議な記憶の連結なんですが、僕が初めて「トライガン ・マキシマム 」を読んだのが、雑誌の立ち読みだったのですが、店は覚えているんですが、その店の位置というかが分からない。店は少し離れた大きな量販店で、その中に入っている書店だったんですが、建物のどこにその書店があったかは、もほや覚えていない。ただ、そこで読んだ、ということは覚えている。記憶とは不思議なものです。この量販店はそもそもの建物がなくなり、最近、新しい商業施設になりました。
人間の記憶っていうのは、どこで何が何と繋がるのか、本当にわからない。忘れているようなことを覚えていて、覚えておくべきことを忘れてしまう。ままなりませんね。
2023/3/20
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