第344話 ポイントは「お金」だろうか
今回は「ポイント」の話。
Amazonで欲しいものの値段を常にチェックしてるのですが、CDの中に、値段は定価のままでポイントが10%みたいなものがあります。それも高額なので、例えば9000円のCDに1000円程度のポイント、になります。さて、あなたはこのCDは、「9000円」と見ますか? それとも「8000円」と見ますか?
僕の中ではこの1000円のポイントがつく9000円のCDは、「9000円」です。でもおそらく、一部の人は「8000円」と見ると思う。これは、ポイントをどう解釈するか、という些細な違いです。
さて、つい先日、たまたま値段を調べているCDが、ポイント10%だったのが、ポイントは1%で、値段を一割ほど割り引く形になった。こうなると、このCDの値段は本当に「9000円」から「8000円」に変わったわけだけど、うーん、本当に値引きされたかは、やはり解釈の問題になる。そもそも、ポイントが10%付与されている段階でも、実質的には「8000円」だったわけです。
この辺りにある感覚は、やはりポイントとはポイントであって、お金とは違う、となるわけだけど、しかし、世の中には様々なポイントが溢れている。それに、電子マネー的なものを考えると、それはもうポイントとどう違うかはよく分からなくなる。僕は現金派で、Suicaさえ持っていない。ついでにポイントにもあまり拘らない。代わりに値段にはこだわるかも。そんな生き方で特に支障を感じないけど、得したいと思うと、ポイントは無視できないかもしれない。
本当のところは、いかに損を減らしてものを手に入れるか、というところにあるので、現金とかポイントとかに拘るのは、やや本筋から離れている。それに些細な差に過ぎない。しかし、「ポイント10%」と「10%引き」には、変な相違が生じてしまう。どちらも悪くないけど、商売をしている人はこういうところからなんとか商機をつかもうとするのでしょう。
それにしても、どうして僕は10%引きをそんなに望むんだろう? Amazonのポイントが無駄になることは多分ないから、ポイント還元でも何の損もない。ただし、ポイントを使う場面は確かに少ない。少ないけど、使える。それも現金と同じように。実に悩ましい。
しかし、値段が割り引かれる時の誘惑は筆舌に尽くし難いのも事実。ポイント10%よりも強烈な誘惑がある。しかししかし、本当は得も損もしていないとなると、恐ろしい錯覚だ。ありもしないものを見て、ありもしないものに引き寄せられているとは、背筋が冷える。
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