第340話 手数が多ければ勝てるとでも思ったか

 今回は素朴な疑問の話。

 かなり記憶があやふやなんですが、「鋼の錬金術師」の中で、かのマスタング大佐が、「大きければ勝てると思ったか、バカが!」みたいなことを言うシーンがある。

 ここのところ、たまたま「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」をチェックしているのですが、ストライクフリーダムガンダムがまさに無双状態になるのですが、このガンダムはやたら火力が多いというか、幾つも砲を装備した機体です。

 さて、火力があれば無敵、ということがあるだろうか。ゲーム世界では、PUBGではあまり感じなかったのですが、Apexでは、火力が意外に意味を持つ。接近戦になると、相手のバリアを破壊した後にライフを全部削るには、二丁装備する武器がARとSRだとやりづらい。ARとARの装備にして、片方が弾切れになればもう一丁に即座に持ち替える、というのがどうやら鉄則です。

 まぁ、ガンダムになると、そこまで簡単ではない気もして、例えばエネルギーはどこから捻出されるのか、各砲の連続使用による過負荷は問題ないのか、など、考え始めるとキリがない。マスタングが相手の大きさを一刀両断できるのは、マスタングの大火力と精密攻撃という技能があったからで、例えばエドだったらどうなっただろう。これはおそらく、相性の問題がまず一つあって、マスタングの場合は能力の相性か、もしくはマスタングの高い能力から、あのような形になったと思われる。

 なら、ストライクフリーダムガンダムはどうなのか、となると、うーん、相性は関係なくて、大火力だゼェ! という、すぎちゃん風なイメージ。もっとも、それを言い始めると00のエクシアは、刃物がいっぱいあるゼェ! だし、最初の時点でガンダムが、ザクマシンガンじゃ壊れねぇゼェ! だったわけだけれど。

 物語の主人公は大抵、無敵か最強なんですが、これを演出するのはなかなか難しい。強い、という言葉で表現されるとしても、そう思わせるための設定やら演出やら、描写やら、まったくややこしい。

 ちなみに僕が最近に見たアニメで、スゲェ! と思ったのは「リコリス・リコイル」です。あまり勝手なことも言えませんが、最新のアニメ的な挑戦もありながら、昔からのお約束が多分に盛り込まれた辺りが良かったのではなかろうか。真島とかロボ太とかの悪役チームも気を衒わないで、しかしどこか新鮮さ、斬新さがある描き方でした。なんというか、真島が最終回に語る内容を真剣に吟味すると、この作品における善と悪は、非常に曖昧な気がしますが、それは新しい挑戦でありながら、テーマの一つとして過去に使われたことのある内容だったようにも思う。先に書いた「機動戦士ガンダム00」の序盤が、やはり正義と悪が一つのテーマだったのでは。

 しかし、ストライクフリーダムの設定はシンプルで、あれはあれでいいのかも。撃って撃って撃ちまくる、というのは男子の憧れでしょう。

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