第332話 NHKがぶっ飛んでいる
今回はここのところのNHKの話。
少し前までチェックしていたのは「フランケンシュタインの誘惑」と「ダークサイドミステリー」。その後、「ブリティッシュ・ベイクオフ」を見たりして、それから「コズミックフロント」とか、最近では「世界サブカルチャー史」をチェックしている。これが全部、Eテレです。見るのが追いつかない。
NHK総合では、とにかく「映像の世紀 バタフライエフェクト」が、とにかく、とにかく、強い。内容が大胆すぎる。この番組はありとあらゆる世界中の各地にスポットライトが当たるので、唸らされる。例えばスターリンの時代のソビエト、毛沢東の時代の中国、ナチスドイツ、第二次大戦のアメリカ、パレスチナの問題、まだまだあるんですが、とにかく多岐にわたる。どれも面白いんですが、9.11に至る経緯とかも凄かった。もう二十年前になってしまって、二十歳くらいの人はビンラディンなんて知らないのかな、と思ったりする。それは例えば僕の世代がパレスチナの問題を過去のものと感じていたり、今のところ「映像の世紀」では取り上げられてませんが、北アイルランド紛争もやっぱり僕からすると遠い世界の出来事に思えるから、まさに二十世紀は「映像の世紀」、映像に収められた世界でありながら、映像の中の世界、なのかもしれない。
もちろん、大河ドラマも面白い。大河ドラマは極端に血が流れるので、笑うに笑えない感じになっている。上総、梶原、比企、畠山、とみんな消えていくのは、何か、悪い夢みたいだった。皆殺しのなんとか、みたいな。
先に挙げた番組では「コズミックフロント」と「世界サブカルチャー史」が特に良い。僕は適当な知識で宇宙を想像してますが、「コズミックフロント」を見ていると、僕がまったく無知だと思い知らされる。もっと勉強しようと思わされる、良い番組です。一方の「世界サブカルチャー史」は、まったく新しい発見ばかりで新鮮です。この番組で扱われるのは、現代的なサブカルチャーというよりは、主流の文化に寄り添う、伏流のような文化です。映画やドラマも引用されますが、それよりも、メインカルチャーの変化や、世代や人種、性別などに由来する文化同士の衝突もあるのを描く辺りに、現代的サブカルチャーとは違うものがあるように見える。現代のサブカルチャーは、ジャンルに近いというか。本来的なサブカルチャーは、現代ではもう無いのかも、と思ったりもする。いや、それは言い過ぎか。
ともかく、ここ数年のNHKはかなり面白くなってきた。特筆すべき番組がもう一つありました。119番の通報を受ける部署に密着した三十分番組で、まだ第一回しか放送されてませんが、凄かった。背筋が凍る。
テレビ、意外に死なないんじゃないか? と思ったりする最近なのでした。
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