第328話 10%か、意外に高いね

 今回はまた本の値段の話。

 僕はここのところ、本一冊に千円程度を用意して買ってます。例えば雑誌「New-type」は値上がりしながらもまだ千円で買える。将棋特集の時は買っている雑誌「Number」も千円で余裕で買える。漫画は「機動戦士ガンダム サンダーボルト」も千円でなんとかなる。大判の漫画は「ファイブスター物語」はさすがに二千円程度になるでしょう。

 で、問題は普通の文庫本です。海外小説なら、千五百円、二千円あたりまでなら、まあまあ、という感じで受け入れてます。そこへ、日本の作品で、普通の文庫本を持ってくると、税抜きで880円でござい、となった時、ふーん、という感覚になる。少し高いね、くらいの感覚。しかしこれが大誤算。レジに行くと968円になる。消費税が10%なので。いやいやいや、それはもう千円じゃないですか! とやや動転する(心の中で)。

 今もあるかどうか知らないけど、昔は電化製品などで1980円とか、2980円とか、そんな値段設定があった。当時もたぶん、消費税はあったはずだけど、この20円安いだけで、そこはかとなく安いような錯覚があったらしい。当時の僕は全くそんなことは思わなかったけど、大人たちにはそういう感覚があったのでは、という推測。

 なので、880円、みたいな値段設定は、購買意欲を維持する数字の並びらしい。「1000円」という数字、「900円」という数字より数が小さいけど、ちゃんと利益が確保された数字、ということです。というか、消費税が10%なので、例えば2770円とかにしても、277円の消費税が発生するので、3047円になるわけで、これはすごい。大半の人は高い買い物になるほど、厳密に消費税を計算するけど、額が大きくなるのに比例してどんどん膨らんでいく。9000円が実質一万円というのは、案外高いね、などと笑い飛ばせないほど大きい。

 いやはや、すごい時代だ。物価高が家計を圧迫するのも大きいけど、消費税が家計を地味に圧迫し、おそらく消費税は上がっていくはずなので、覚悟しておこう。

 ちなみに僕は森博嗣さんの信者なので、消費税にあまり否定的ではありません。みんながみんな、分け隔てなく、一律に徴収されている、公平な税だと説かれると、そうかもな、と思ったので。まぁ、考えは人それぞれだと思いますが。

 それにしても文庫本に千円とは、一昔前のハードカバーの値段が懐かしい。これはまったくの暴言ですが、京極夏彦さんあたりの文庫本を買っていた人たちなら、文庫本に千円は、案外安いね、という感想なのかもなぁ。

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