第324話 理想の彼氏はアスラン
今回はいろんな悲劇の話。
鷲崎健さんと伊福部崇さんのユニット、ポアロの曲で「プレイボーイの悲劇」という曲があって、発表からはるかに時間が流れてますが、ともかくプレイボーイがオタク女子を惚れさせられない、という歌詞内容です。
このタイトルの元はほぼ確実に「ラジオスターの悲劇」なんですが、元のタイトルは「Video killed the radiostar」みたいな感じで、つまりラジオスターをビデオが殺した、という感じです。
これって実は2020年代のテレビ文化にも応用可能で、つい十年前まではネット配信のコンテンツがテレビに置き換わる、まさに、ネットがテレビを殺す、みたいな感じがイメージされていたはずなのですが、実際には、テレビ番組をそのままネット配信する、テレビ局は生き残るけど、テレビそのものに悲劇が生じる事態になった。それは例えば、タブレットが液晶テレビを殺した、というような形かもしれない。まぁ、テレビスターはユーチューバーに殺されたりしてますが。音楽も、レコードがCDに殺されたはずが、今度はCDがネット配信に殺されている。
小説も、ライトノベルはネット小説に殺されたかもしれないし、その前に一般文芸はライトノベルに殺されたかもしれない。もっと深読みすると、文学が大衆小説に殺されたりしたのかもしれない。先日、NHK Eテレで「理想的本箱」みたいな番組を見ていたら、川端康成が紹介されてましたが、現在の作家で川端康成の継承者はいないように思う。三島由紀夫の継承者もいない。ただ、時間を手前に移して行っても、誰かを継承しているような作家はあまりいないかも。ということは、どんどん先達を殺して、新しいものを生み出しているのかもしれない。それなら、ラジオスターの悲劇もある種の必然で、ラジオがある種の苗床になった証明なのかもな、と思ったりした。
しかし、理想の彼氏はアスラン、というのはなかなか時代を感じさせる。他にもテニス部の菊丸、とか、アルフォンス、とか、時代を印象付けるキャラクター名が出てくるのは、創作としてはユニークなのでは。まぁ、それを言ったらポアロ の「Once Apon A Time In Akihabara」なんかも、もはや存在しない道順で秋葉原を右往左往するので、創作にも時間の洗礼はついて回るようです。
すごく怖いことですが、自分が生きた時代にあったことが、いつかはただの過去の遺物になり、なんらかの象徴に過ぎなくなって、ほとんどの人に理解されなくなるんだろうか。そう、この前、ラジオに漫画「ワンピース」をネタにしたメールを放り込んだら、「ワンピース」は読んでない、という理由で大滑りしましたが、その次の週に「ソードアート・オンライン」のネタをぶち込んだら、「ソードアート・オンライン」はちゃんと読んだことがない、とまた大滑りしました。そんなんあるかぁ……、と思いながら、パーソナリティが二十歳くらいなので、僕が間違ってましたね。怖〜^^;
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます