第308話 え? 想像もしてなかった
今回は不思議な世論の話。
たまたまツイッターで、秋元康さんが乃木坂46の公式ライバルグループを作る! みたいな情報に触れて、自然とそれにまつわるツイートを見たのですが、乃木坂46は落ち目、みたいな意見があって、うひょー、マジか、と思った。
これはもはや経てきた時間の問題に結びつきますが、僕はAKB48は「桜の花びらたち」から知ってたので、乃木坂46が出てきた時、本当に対抗できるのか、まったくわからなかった。で、問題になるのはどうして僕がやがてはAKB48を諦めてしまったのか、という部分です。そこにあるのは、AKBが落ち目になった、という理由ではない、というのが僕の感覚です。はっきりとは言えないのですが、うーん、「フライングゲット」辺りが僕のピークで、すごく気になるのは、僕が徐々に手を引いているその最中に、「恋するフォーチュンクッキー」が発表された、ということです。
今になってみれば、「恋するフォーチュンクッキー」はある種の最高潮だったと分かるけど、僕が手を引いたのは上り調子とか落ち目とかではなく、もっと単純な「評価」で、しかも「個人的な評価」だった。
で、乃木坂46が今、落ち目かと聞かれると、僕はまだまだ先がある、と答えると思う。これももちろん「個人的な評価」ですから、もしかしたら世論としては落ち目なのかもしれない。
世論が評価するかしないかは、個人の好き嫌いにそれほど影響を与えないと僕は思っているけど、そんなこともないのだろうか。例えば、政党支持率が世論調査で発表されたりするけど、自民党の支持率が40%だからもっと押そうor追い落とそう、というような作用があるとは僕には思えない。僕にとって世論というのは単純な勢力確認で、僕が何を支持するかは個人で決める。
ただ、SNSの世論の怖さは、個人の評価が世論になり、その世論が別の個人の評価を歪める、そんな連鎖が起こりそうなことかな、とは思う。同調圧力が複雑に働いているというか。だから、「乃木坂46は落ち目だ」というのを見た人が、それが世論か、と思って同調すると、本当に乃木坂46は落ち目になるかもしれない。
こうやって世論が個人の領域に作用するのは、なかなか怖い。ただ、実際にはSNSどころか、もっと前からネット上や、さらに前には家庭や職場、学校などで、個人の個人的な評価が歪められていたことはあろうと思う。居酒屋で政治と野球の話はしてはいけない、みたいな。
現代的な世論は、居酒屋の別の席にいるよく分からない奴が俺の好きな球団をこき下ろしてやがる、みたいな、小さな範囲ではないのが、一番の難しさかな、と思ったりもしたり。一人の発言が、まるで一人には思えない、見えない。むしろ、ともすると世論に反する自分が孤立している、と錯覚することもあるかも。
まぁ、僕が言いたいのは「乃木坂46は落ち目じゃねぇぞ!」というだけのことです。みんなでそういう世論を形成していこう! と言っても形成されないのが本来の世論でしょう。
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