第307話 読書の心得
今回は僕が読書をする時、何を用意するか、という話から始まる、業の深い話。
僕はブックカバーを使っている。ブックユニオンで買える、ビブリオフィリックの奴です。結構、高値ですが、手に馴染むブックカバーは心地いい。栞はブックユニオンで無料で貰える奴。もう一つダメにしてしまって、二つ目も寿命が近いですが、在庫があるのでまだ安心。
次に用意するのは、音楽。何でも良い。好きな音楽をとにかくかける。これはある種のリズム感を作るためで、ジャンルはどうでも良いし、歌詞もどうでも良い。サントラとかでも良い。音楽と集中がぴたりと合うと、かなり深く没入できる。
そして、摘めるもの。簡単なお菓子があると、ガンガン読める。
さて、ここまでは道具ですが、本を読む時にうまく読み進めるコツとして、区切りのいいところまで読む、というのをやっています。それは、一つの章まで読んで本を閉じる、というのもあるし、ページの数字がキリがいいところで本を閉じる、というのもある。これが、流石に疲れてきたな、というときは大概、もう紙面も残り少なく、力押しの最後の一押しになり、強引にページを先へ進められる。
本を読むのが苦手な人というのがいますけど、僕が再三(?)主張したいのは、そういう人は本当に面白い文章に出会っていないだけでしょう。なので、まずは面白い本を探す、徹底的に探すことを一番初めにすること。書評を読んでも良いし、世間の人気を頼りにしても良いし、書店でただ棚の中から面白そうなものを探し出しても良い。
ネット小説がしっくりこない人に、僕から何か言えるとしたら、ブックオフで百円の文庫本を買って読むべし、としか言えない。これは案外、馬鹿にできないで、良い本が多く眠っている。ちなみについ先日、箱に詰めてある本の中から文庫を探したのですが、伊藤計劃さんの「虐殺器官」の全く同じ文庫本が二冊出てきた。別宅に間違いなく一冊あるので、つまり僕は三冊持っている。謎すぎる。
読書に一番必要なのは集中力で、ある種のトランス状態になれると、それは読書ではなく、催眠になるのでは。本の中の世界が現実になり、読者はその存在しない世界へ足を踏み入れていく。良いも悪いもない。読書とはそういうものです。
僕は読みたい本を書店の棚に見るたびに、「まだそこにいてくれよ」と思うことが多い。買うお金がないのですね。しかしそのうち棚から消えてしまうので、本気の読書魔は、有り金を失っても本を買うんだろうな、と、関心半分、羨望半分です。もちろん、破滅は意識しないように視野の外に置いてます、
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