第260話 お爺ちゃんになった!

 今回はマニアックな話。

 先日、NHKのEテレで「猫メンタリー」みたいな番組に、神林長平さんが出てました。というか、神林長平さんとその飼い猫の話でしたね。

 神林長平さんは、僕は「戦闘妖精・雪風」から入りましたが、それも小説ではなくアニメ、OVAから入りました。たまたまPVを見て、ハマり込んだ。原作は早めに手に入れて、何故か修学旅行の飛行機の中で読んだ。一巻冒頭を考えると、謎なセレクトだ……。

 神林長平さんという人が偉大な人だと理解したのは、桜庭一樹さんのエッセイを読んでからで、それまでは「雪風の人」の域を出なかった。それが「七胴落とし」が面白い、みたいな話を聞いたりして、ちょこちょこ読むことになった。ただ、とにかく難解。「敵は海賊・海賊版」は一冊読んで、他は集めてますが、さて、いつ揃うのやら。本の箱の中から発掘しないとな、気が遠くなる……。

 それはさておき、ここまでは前置きで、神林長平さんの長野県、安曇野にあるお宅が映っていて、作家の住まいだなぁ、と思わせる環境だった。いきなり脇に逸れますけど、神林長平さんがコーヒーを淹れているシーンは、どことなくNHKのドキュメントで見た、宮崎駿さんがコーヒーを淹れる姿を連想させた。しかし神林長平さんのお部屋は良かった。

 こんなところはどうでもいい、というか、一部の人しか気にしないのですが、神林長平さんは文章を書く時、ローマ字入力ではなく、日本語で入力しているらしい。端末はおそらくMacBook Air。なんのソフトを使っているかは不明だけど、最初から縦書きで書いていた。まったく無意味に情報を開示すると、僕はMacBookを使っていて、入力はローマ字、使っているソフトは最初から入っているpagesです。横書きで使用してます。

 それにしても神林長平さんももうお爺ちゃんになっていて、時間の流れを感じた。文庫本の著者の写真でも時間の流れは感じますが、映像の中の神林長平さんは、風格漂う、老作家、という感じだった。どことなく学者っぽい感じもしたかな。

 これはまったくの余談というか、無関係な話ですが、僕の知らない八十年代末辺りに、都会の駅の改札が無人では無い頃、駅員の人が切符にハサミを入れる時は、小刻みなリズムでハサミをカチカチカチカチやり続ける光景があったらしい。僕は田舎にいたので、そんな光景は見たことがない。ただ、桃井はるこさんのラジオで聞いたり、この前、NHKの番組でチラッと見た。それはなんでもないように思ってきたけど、神林長平さんがキーボードを打ってるのを見た時、ローマ字入力をしている自分は、どことなく昔の駅員みたいだな、と思った。キーボードをリズムよく叩くことで自然な文章が湧いてくるような。錯覚でしょうけど、そんな気がした。

 しかし、猫は可愛かった。神林長平さんも可愛かった。良い番組でした。

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