第259話 デフレ傾向と実際的なインフレ
今回は身近で感じた「インフレ」の話。
僕がたまに夜食で食べるインスタントラーメンが、嘘みたいな話なんですが、五袋をまとめて売っていて、二百円と少しです。つまり一食分で五十円しません。どういう会社が作ってて、それで採算が取れるのか、かなり疑問なんですが、味は悪くないし、僕としては「ありがとうございます!」という感じです。
このインスタントラーメンは、近場のドラッグストアに売っていて、他にもちゃんとしたメーカーのラーメンが並んでいて、細かく安くなったり高くなったりしますが、おおよそが五袋で三百円でしょうか。
さて、つい最近、テレビCMで大手メーカーの新製品を発見して、これは気になる、と件のドラッグストアに行くとちゃんと置いてある。値段は三百円。なるほど、と思ったけど、よく見てみると五袋ではなく、三袋で売っている。これは驚く。つまり一食分で百円なんです。これはいかにも高い……。
何ヶ月か前に、たまたまラジオNIKKEIのニュースを聞いていたら、日本では消費者の意識にデフレ傾向があり、消費が云々、というような話があった。つまり、僕がインスタントラーメンで感じたのが、まさにそれなんです。
この価格競争の矛盾は自然と解消されるか、矛盾ごとインフレの流れで物価が全体的に上昇すると思うのですが、僕が目の当たりにした一食のラーメンが、比較すると値段がまったく違う、倍近く違うというのは、恐ろしい。ただのラーメンでも何かが違うんだろうけど、そんなに違いはないはず。これは商品を比較しているけど、僕の中にあるハンバーガーのイメージは、まったく同じ商品を時間の中で、過去と現在で比較したりするので、途端に訳分からなくなる。ハンバーガーが八十円くらいの時代を知ってると、今は百何十円とか、謎すぎる。
それにしても、一食百円のインスタント麺、買うべきか、買い控えるべきか、悩ましい。大した損でもないし、試しに買ってみてもいいかな、とは思うけど、即断できない。これはある部分ではデフレの時代の呪縛でありながら、単に僕がケチなだけでもある。凄いと思うのは、育った時代、経験した時代の影響で、人間の感覚や価値観に独特の傾向が生じることですね。それは生まれた時からインターネットがある世代とかも似たようなものなんでしょう。細かなところでは、電子書籍がある、とかもありそう。キーボードで文章を入力しない、とかも。
しかし、それにしても一食百円のインスタント麺が出るとなると、カップラーメンはどうなってしまうんだ? 時代が変わるとは、まさにこのこと。
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