第257話 これは疲れる

 今回も創作にまつわるお話。プロットを久しぶりに作ってみたら……。

 だいぶ前に「プロットを作るべき!」みたいな主張をしていた僕ですが、何やかやあって、最近はプロットのプロットが頭にある、という曖昧模糊した形から書き始めて、後は流れでまとめる、という手法を取ってました。プロットを作るのが面倒くさい、という怠慢です。

 そんなところで、電撃大賞を意識して、十五万字程度の一つの物語を何か用意しよう、と思った時、十万字なら何とかなりそうだけど、さすがに十五万字は厳しい、と感じた。ちゃんとプロットを作って、それに則った方が安全に進むだろう、という発想です。発想というか、基礎をしっかりやろうと思い直した、ということですが。

 というわけで、ここ数日、プロットを作っている。十五万字だから、三十分割くらいのプロットが欲しいところ、と努力してるのですが、二十分割が限界だった。というか、疲れた、疲れ切った。プロット作りってこんなに疲れるんだなぁ、と思い出した。プロット無しで書いた方が、むしろ疲れないんじゃないか。いや、疲れる疲れないよりも、良いものが作れるかどうか、ですけれど。そんな具合で、だいぶ思考してます。

 僕が好きな作家の一人、森博嗣さんはプロットを作らない、という話がありましたが、それでうまく行くのはある種の才能ですね。もしかしたら、思考そのものの仕組みが違うのかもしれません。天才というのは、恐ろしい。畏怖の念というのが今の僕の心にあるものでしょうか。

 プロットを作って何が疲れるって、各部の細部は曖昧で大筋しか決まってないのですが、この書き始める前の段階から、その各部の細部を検討してしまうこと。つまり考えることが膨大になる。プロット無しだったら、その時に書いている場面や、その次の場面、少し先の場面を想像するだけでいいけど、プロットというのは物語の始まりから終わりまで光を当てるようなもので、光が当たっている目の前だけを意識すればいい、とはいかないのが僕の感覚です。それこそがプロットの利点ですが、もう、頭が回らない。

 おそらくさらに数日をかけてプロットの細部が頭の中で出来上がってきて、楽になるんでしょうけど、久しぶりの感覚にやけに疲労している自分を感じましたね。怠けてちゃダメだな、常になんらかのストレスをかけておかないとすぐに緩んでしまう。

 とにかく新作を頑張ろう。今はそれしか言えない。

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