第232話 遠い昔、遥か彼方の図書室で
今回は思い出話。
僕が読書に目覚めたのには二つの段階があって、二つ目の段階は、文学フリマで、桜庭一樹さんと桜坂洋さんの合同同人誌を買い、そこから桜庭一樹さんの「少女には向かない職業」を手に取る辺りから始まる、言わば「一般文芸への目覚め」です。
その前の段階にある第一段階が、吉田直さんの「トリニティブラッド」とか、三雲岳斗さんの「ランブルフィッシュ 」とか、つまり「ライトノベルへの目覚め」です。これより前には僕の生活に読書という要素はありませんでした。
さて、そんな具合で本を読むには親に買ってもらうか、自分で買うしかないのが当然で、新品で買うことと古本を買うことが半々くらいになるのが高校生の時期でした。書店には週一で行ってましたが、ブックオフも週一くらいで行ってましたね。
そんな中で、高校の図書室がだいぶ活用されて、司書の先生のご厚意のもと、大量のライトノベルが導入されました。これは前も書きましたね。
そんな中で出会った本がいくつかあり、一つは賀東招二さんの「フルメタル・パニック!」です。これは僕はタイトルしか知らなかったのが、図書室に同学年の女子生徒が導入した結果、読むことになりました。もう一つは作者さんの名前を失念しましたが、「ザ・サード」もやはり、ここで知りました。しかし何故か「スレイヤーズ」は通らなかった。
で、そんな図書室で読んだ本の一つで大きいのが、小野不由美さんの「十二国記」です。当時、アニメ化されたところで、原作は十冊くらいでした。とりあえず既刊は全部、図書室で読みましたね。しかし当時は金銭的な理由、経済的な理由、あるいは古本を待ったのか、とにかく買わなかった。
その時から遥かな時間が過ぎ去って、新刊も出て、いよいよ機が熟してきました。2022年にとりあえず全部を揃えて、読んでいこうかな、という見通しが立ちました。
今になってみると、あの図書室の本棚にはどんなものがあったか、すごく気になります。ライトノベルではない文庫本がそれなりにあったはずなのに、少しも覚えていない。どんな内容だったのかな。
大人になってしまうと難しいですけど、高校とか中学校の図書室にある本、結構、気になる。教育の場である学校に置かれる本って、何かしらの傾向があるのかな。高校生の僕に取っては遊び場みたいな場所が図書室だったけど、それは錯覚、思い込みだったのかな。
きっと、今の僕がぜひ読みたいと思う本があると思うんですよねぇ。
遠い昔、遥か彼方の図書室で、僕は重大な見落としをしたんだなぁ。
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