第231話 価格崩壊は誰の罪? それは僕の罪。

 今回は何度目かの「値段」の話。

 かれこれここ数ヶ月、乃木坂46のベスト盤を買うべきかどうか、悩んでいた。これが事情を知らない人に説明すると、10周年の記念のようなベスト盤なんですが、時を遡ること七年くらい前に一枚目のアルバム「透明な色」というものがありまして、これが事実上、「〇枚目のベスト盤」なんです。ベスト盤「Time flies」のディスク1は、「透明な色」のディスク1と大差ありません。それに加えて、僕はオリジナルアルバムも揃えてしまったため、「Time flies」に収録のシングル曲は、「Sing Out!」から後の六曲が手元にないのと、あとは「Time flies」のリード曲や限定盤だけのディスク3の中の何曲かが手元にない、という形でした。

 前置きが長くなりましたが、買うなら「Time flies」は限定版を買うとして、おおよそ十曲程度を手元に確保するために、七千円や一万円を出せるか、という選択が僕には提示されていたわけです。

 で、Amazonで買えば六千円から八千円程度になるのですが、安い値段ではないが、ここまで来たらそれも必要経費、と割り切ってました。

 そこは思わぬ事態が。

 ふらっと入った中古CDを扱う店に、「Time flies」の限定版がある。手に取りながら「まぁ、五千円はするだろう」と思って値札を見ると

 三千円。

 ……三千円。

 …………三千円!

 愕然としましたね。声にならない声が漏れたかもしれません。ちなみにその横にあったアンダー曲のベスト盤「僕だけの君」の限定版は八百円です。

 最初に想定した金額、Amazonで六千円という想定からすれば、ここで押さえれば、ベスト盤と同時にアンダー曲のベストも合わせてもお釣りが来る。

井之頭五郎がシュウマイと白飯とお茶の缶を買ってもお釣りが来る、と考える感じです。

 何が何やら、錯乱し、訳がわからなくなって、気づいたら買ってました。

 まぁ、いくつかの難しい要素はあるんですよ。封入されているイベント参加のためのシリアルコードとか、おそらく本来は封入されていたはずのブロマイドみたいなのがないとか。しかし、シリアルコードと、ブロマイドがないだけで、定価の六割り引き、七割り引きって、どういう商売なんだろう?

 前もどこかに書きましたが、十年くらい前、水樹奈々さんがブレイクした後、新しいアルバムが出たのですが、アマゾンだけなのか、それとも元々のキングレコードの失敗なのか、発売と同時にデタラメな値崩れが起きまして、Amazonで新品が二千円もしないで売られた事態がありました。

 乃木坂46のベスト盤は先に書いた通り、「透明な色」がある以上、値段の付け方がすごく難しい部分はあった。そもそもベスト盤なので、本気のファンはオリジナルアルバムどころかシングル盤も買ってるわけで、需要が見通せない。

 しかし定価の七割引で売られるのは苦しい。それよりも買取価格を考えると、これも苦しい。そうさせているのはメーカーでも中古を売る店でもなく、消費者、僕なんですけど、罪悪感が凄い。凄まじい。

 何はともあれ、乃木坂46を何も知らない人には「Time Flies」はおすすめです。入門編としては完璧です。

 ちなみにアンダーベストの「僕だけの君」も良かったですよ。今度はカップリングベストも出して欲しい、という欲もあるのですけど。

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