第226話 業が深いアイドルと僕の相似

 今回はふと気になった発言に関して。

 ここ何年か、アイドルのラジオ番組を聞いていると、写真集の告知が結構、頻繁にある。で、僕ははっきり言って「女は紙とJPEGに限る」どころか、写真集にはまったく興味がない。人生で買ったことはありません。

 そんなところで、先日、ラジオを聞いているとアイドルグループ卒業間近のパーソナリティの女性が「写真集が出ます」という告知をするまでは良かったのですが、「一冊と言わず、二冊、三冊と買ってください」という趣旨のことを言い始めて、おいおい、と愕然としてしまった。

 おそらく販売してる場所でカバーが違うから、それを全種類揃えてくださいね、という趣旨ではないか、と好意的に解釈できるけど、しかし、中身が同じ写真集を三冊買って、それで、どうなるんだ……。

 別に三冊買う人を軽蔑しないし、十冊買う人がいても良いんですが、では、その写真集を売っている側、使っている側は自分の作品にどんな未来を想像したんだろう?

 例えば十冊買った人をその誰かを、どんな風に思い描くのか。

 その人の部屋の本棚に十冊がずらっと並んでいる未来? それとも友人知人に無料配布している未来? あるいはどこかに売却される未来? もしかして、資源ごみにされる未来……?

 すごく怖いけど、これって食品でも言えることで、作れば作るほど金が儲かる、となった時、受け取る人がいないとかで消費が間に合わない事態が出来すると、自然と宙に浮くものが発生して、それが何かをおかしくさせるのでは。他に近いものでは、予算的なもので、予算を使い切るために年度末に土木工事が集中する、みたいな現象がある。

 アイドルの写真集は、一般的に考えれば一人一冊で良い。オタク的思考をすれば、観賞用、保存用、布教用で三冊なんだけど、うーん、恐ろしい世界だ。

 ただ、僕も同じ本を何冊も買ったりするので、あまり大きな顔もできないでした。発掘するのを諦めて、ということなんだけど、まぁ、僕も何か、おかしな社会貢献をしているのかもしれない。余計な資源ごみを増やして、つまり木を無駄に伐採させ、それは地球環境を破壊していて……。

 あまり他人のことをあーだこーだは言えませんね……。

 それはそうと、「女は紙とJPEGに限る」って、すごく語呂がいいけど、何年前の話だろう。いつか「小説はなろうとアルファに限る」とか、そんな感じになるのかなぁ。うひー。

 槙島聖護じゃないけど、紙の本を読もう。なんか、だいぶ脱線しましたね。

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