第223話 誰が得をしたのだろう?
今回はまたアイドルの話。
前の記事でも書きましたが、僕は中西アルノという人を応援したいと思ってます。この人が過去に何をしたのか、どんな発言をしたのか、何も知りませんし、知りたいと思いません。何も知らないのに応援するのか、という指摘があるとしたら、あなたは相手のことを全部知らないと安心しないのか、と指摘するしかない。
僕が特殊とは思いたくないけど、アイドルの過去を暴く行為や、これはアイドルに限りませんけど、匿名で、根拠不明な誹謗中傷は誰が得をするのだろう?
僕には理解できない感覚ですが、例えばアイドルが「恋愛禁止」であるということから、アイドルが「清純」というか、「純潔」というか、つまり全く汚れのない存在である、と思っているとしたら、それは僕の感覚では「気色悪い」。そんな人から見たアイドルって、どんな存在なんだろう? 人間ではない、まさに何かの象徴なのか。
これと似た感覚が小室圭さんの問題でもあった。一般人の全てを暴き出すのは、人権が無視されている。皇室の人が嫁ぐとしても、だとしても皇室から離れたら一般人なので、そこにあるのは普通の夫婦に限りなく近い。やはりなんらかの守るべき、守られるべき人権があるのでは。
こういう「暴露」が一部メディアのお家芸で、金を稼ぐ手段だとしても、例えば一般人が血眼になって、草の根分けて暴き立て始めると、それは「報道」でも「スクープ」でもなく、もっと品のない、「悪意」なんじゃないか。「無自覚の悪意」というか。
僕はやったことがないし、やりたくないけど、アイドルの女の子の過去に洗い出して、なんらかの結果に辿り着いた誰かは、どんな気分だったのだろう。興奮したのか、憤ったのか。愉快だったか。満足したか。分かった情報を公開して、大勢が同調して、どんな気分だった? アイドルの女の子が表舞台から消えて、どんな気分だった? 嬉しかったか? 楽しかったか? 笑えたか?
とにかく、言葉を選ばなければ、胸糞悪い、とはまさにこのことで、成功者の足を引っ張ることが正しい、という錯覚があるのは間違いない。成功者にある汚れを咎めるとしても、なんで寛容になれないのか。
間違いを否定する方法にも、正しいやり方と間違ったやり方があるのでは、と思った。
まぁ、それでも僕は中西アルノという人を待ちますね。一人くらい、いつまでも待ち続けるのが、なんとなく責任のように感じるからです。アイドルを求めた人間が背負うべき責任というか。一人の人間に栄光と絶望を与えたのは、あるいは当人の努力と当人の過失かもしれないけど。
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