第222話 将棋はもう…わかんない!

 今回は久しぶりに将棋の話。

 たまにNHK杯を見て、感想戦を目の当たりにするのですが、プロ棋士が「ここは分からなかった」という趣旨のことをよく口にする。

 僕なんてすぐ分からなくなるよ……。

 将棋を指していて感じるのは、ものすごく強い手が見えるんだけど、自分の手がどれだけ強いかは分からない。相手がこの手を指してくるとどうしよう、と思う場面が、強い手が見えるという感じです。

 それでもとにかく将棋は答えがなくて面白いけど、すごいプレッシャー。これは学校の教室での遊びとはまるで違う。僕はスポーツは剣道をほんの少しやりましたが、剣道よりも将棋の方が相手の殺気を感じる。これは小説を書いている人は体験して欲しい。将棋には、相手を負かす気持ち、最後の一線で相手の誤りを願う気持ち、負けた後の気持ち、そういう全てがある。斬り合いがこんな感じなのでは。もちろん、時間はまるで違いますが。

 僕はやっぱり将棋を指していると動悸が激しくなり、体が震える。やっぱり臆病で、負けが怖いんだなぁ、としみじみ感じる。だから、これはちょっと小道具を変えると、僕はヤクザ映画で、偉い人に短刀を渡されて「行ってこい!」との掛け声を背に、相手に向かって突撃する時、ブルブル震えて、喚きながら突っ込むんだろうなぁ、と思ったりする。逆にいうと、相手を殺す殺されるの場に立つ気持ちが、将棋を指すだけでも少し分かるかもしれない。

 最近の僕の戦法は、居玉の力戦となりました。出来るだけ柔らかく、柔軟に指していこうとは思ってるのですが、まだ足りないですね。勝つ時に残り時間が三分くらいになるように、時間を使って考えたい。考える癖はまだ身についてないのが実際。相手の緩手は少しずつ見えるようになった。でも見える日と見えない日がある。日によって指し方が変わっていくのが、自分でも首を捻るところ。集中力の問題なのかな。

 しかしもう、将棋はわからない。ここのところゴキゲン中飛車の人と当たることが多いんですが、こちらも中飛車でぶつけるのがいいのか、他に対処法があるのか。それと最近、増えているのは角交換をして、すぐ角を打ってるやり方。僕は角交換は好きじゃないけど、最近は角道を開けている。で、相手が角換わりにくるけど、これも対応がわからない。まったく、世界は広い。

 早く三級になりたーい!

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