第219話 読書地獄の再来

 今回は読書の話。

 みなさんは普段、どんな風に本を買ってますか? 書店へ行って新刊本を買うとか、通販で買うとか、電子書籍とか、ブックオフとか、色々あると思います。僕はブックオフ派でしたが、近場の店が移転したので、今は新刊で買うよりない感じです。

 で、かなり前、ものすごい読書熱が高まった時が三回ありまして、一回目は塩野七生さんの「ローマ人の物語」、二回目は池波正太郎さんの「剣客商売」、三回目も池波正太郎さんの「鬼平犯科帳」がどうしても読みたくて、古本で揃うのは待てん! と新品で買いました。

 怖くて値段は計算できませんが、「ローマ人の物語」の時は書店になかったので、まず五冊くらい注文し、読み終わる頃にまた五冊注文して、とやってました。「剣客商売」は書店にありましたが、やはり二冊とか三冊ずつ買いました。「鬼平犯科帳」は新装版が出るタイミングで、発売と同時に買っていて、一ヶ月に二冊ずつくらいだったような。

 こんな感じで、僕の中ではなんとなく、一度に一万円くらい投げ出すのはすごい抵抗があるのに、数千円ずつなら出せる、という変な線引きがある。これを逸脱したのが北方謙三さんの「岳飛伝」を揃えた時で、これはブックオフで七千円くらいしました。今思い出しても肝が冷える……。

 そんな買い方をしてるので、毎月、本のために数千円が消えてますが、なんとなく小野不由美さんの「十二国記」を買おうか、という気持ちになっていて、部分的に手元にあるのですが、十冊と少しはありません。で、これを買うとして、一ヶ月に五千円用意すれば、二ヶ月で買えるな! と思ったりしながら、いやいや、それはすごい出費では? と思ったりする。

 まぁ、一ヶ月につき二千円ずつ用意して半年かけて揃える、でも良いんですが、「熱」が、できるだけ早く買え! 早く! ハリー! ハリー! と、急かすわけです。この読書地獄は酷い。金と時間を無限に奪っていく……。

 まぁ、今、読んでいる本の後に、手元にある別の本を挟んだりしていくと、本当に買っても良いだろうと気持ちが楽になるのは結局、一ヶ月か一ヶ月半後になるので、その間に熱が自然と下がるかもしれない。

 しかし、まったく僕も、おかしな人間ではある。もっと別のものを買うべきでは……。服とか……、食事とか……。

 CDを買ってる! と胸を張りたいけど、これはいけません。CDは本と何も変わりません。

 あぁ、趣味人の哀れ……。

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