第210話 本来的には許されないかもしれない経済システム
今回は買い物の話。
僕はジョギングの後にプロテインを飲むんですが、これを買う時、かなり悩む。アマゾンで安く買えるんですが、家のそばにあるドラッグストアもかなり値段を下げていて、アマゾンがセールならアマゾンの方が安い、となる。数百円の差ですが。
ただ、これを考えると、何かがおかしい気がしてくる。
アマゾンは大量に仕入れているから値下げできる、というような理屈は「薄利多売」なんて感じで馴染み深いですけど、しかしアマゾンは商品を配達している。そのために自社なり他社なりの運送会社を動かしてるわけで、その分の「お金」はどこから出ているんだろう?
もちろん、ドラッグストアにもどこかのメーカーが作った商品が、倉庫などを経由することで店頭に運ばれてるけど、こういうところで出るコストを本当の意味で解消できれば、消費者はもう少し安価に何かしらを買えそうではある。
ただ、通販が各家庭に届けるのは効率的ではなく、どこかしらに商品を集積して販売するようになりそうで、つまり、生協みたいな感じになりそう。それなら、結局は小売店、あるいは量販店の仕組みが有利となり、逆転が起こってしまう。この仕組みが不合理で通販が発達したのに、元通りになるのでは何の進歩もない。どうなってるんだ?
他にも面白そうなのは、コンビニ大手だとオリジナルブランドの商品を安く販売するけど、例えばセブンイレブン、ローソン、ファミリーマートで合同で会社を作り、同じ商品を売るようにすると少なくとも商品自体の価格は落とせそう。しかしもし、配送の効率化まで考えると、もはや究極的にはコンビニ全てを一社に統合するのが合理的となり、結論としては、経済とか商業というのは、合理性だけでは成り立ってないと判明する。
この辺はなんか、マルクス辺りが好みそうな分野です。
たまにこのエッセイに個人書店について書いてますけど、書店ももはや注文を取り次ぐだけが仕事になるわけで、そうなってしまうと本の値段を下げる方策がとられた時に極端な困難が生じそう。僕の身近な個人書店に、例えば僕が注文した文庫一冊だけを届けるのに、本を用意し、梱包し、発送するのは手間しかない。当然、日々発刊される雑誌とかと一緒に発送するわけですが、そんなこと言ったらアマゾンなんて遥かに膨大な物を行き来させるし、出版社や取次の会社にしても、ど田舎の書店に細かく構いたくはなくなりそう。
そのうち、書店で本を注文してもすぐには届かなくなる、の、かな……?
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