第197話 言葉の表現のあれこれ

 今回は本当にどうでもいい話。

 ずっと昔、ご飯を茶碗に「盛る」と「よそう」が合わさって「よそる」などという言葉ができた、という眉唾な話を聞いたことがある。まぁ、言葉は自在に変わるので、あるかもな、という程度にスルーしていた。

 で、今日、本を読みながら「驚かせる」というところを読んだ時、頭の中で「おどかせる」という変な読み方が発生して、「おどろかせる」としか読めないのですが、誤読が可笑しかった。

 おどかせる、は、たぶん「驚く」と「脅す」が僕の中で混ざったと思われる。iPhoneでは「脅かせる」という変換が出るけど、さて、正しいのかな。

 僕の中で「脅す」、「脅される」は、どこかしら「驚かされる」に近い現象に理解されているらしい。例えばいきなりナイフを見せられたら、まず驚く。脅されるかどうかは、驚きの後にやってくるので、文章で表現するとまずは「彼がナイフを見せたのには驚いた」が来てから「脅すような言葉とともにナイフがすぐそばにくる」という段階を踏むことになる。これが文章の上ではなくて、現実でも同じ手順になるのでは。

 こういう段階を踏む認識は普段はあまり考えないけど、意外に面白い要素かもしれない。何か、ショッキングな話を聞いたら、たまに倒れ込みそうになる人がいる。この誰かの視点で感情の順を追っていくとどうなるだろう。まず言葉を聞き、理解する。では、理解の第一段階で、言葉の意味を全て信じるだろうか? 頭の中でもう一度、言葉を反芻して、真実かを検証して再理解しようとする第二段階がありそう。次に理解したとして、眩暈がやってくるわけだけれど、さて、その間に何かがありそうである。現在の状況や今後について考える、思案する段階がある。そうしてから、ことの重大さに「目の前が真っ暗になる」と想像できる。

 こういう段階を考えるのは物語でも使えそう。ただ一から十までまっすぐ描写するのは重いかも。そうなると別の手法として簡単に思い浮かべると、通報→昏倒→回復→説明と順番を入れ替えることになるのか。そう、その人がなぜ昏倒したのか、を飛ばして描写することで、その「理由」を肝にしたトリックができそうではある。

 しかし、僕もいよいよ、漢字が読めなくなったな。最近、本を読んでも記号として読み取ってしまって、漢字がどんな文字なのか、というところを認識できない。書くのも難しい。ワープロがあればなんとかなるけど、世の中には手書きの書類もあるわけで、早く全部が電子化されて欲しい。二十年後かな……。

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