第190話 現代用語の基礎知識の出番だぞ!
とんでもない言葉の一人歩きの話が今回のテーマ。
これは世代によって分かれると思うんですが、例えば女の人が「若い子じゃないから短いスカートはとても無理」と言ったり、カップルで男子が女の子にコートの上から抱きついて「ちょっと太った?」と聞いたり、こういうジョークが通じるか通じないか、というのをたまに考える。
これは少し前、適当に流し見した文章で、僕もよく分かってませんが、最近流行りのルッキズムに関する話題で、「可愛いは正義」がその外見的ななんだかの良くない価値観、是正されるべき価値観の象徴の一つ、とされていて、「マジか!」となった。
これが、「可愛いが正義は当たり前だと思ってた」とかじゃなくて、「可愛いは正義」って、元は漫画の「苺ましまろ」のコミックの帯に書かれてたキャッチコピーのはずで、つまり、僕の世代で「可愛いは正義」と発言しているのは価値観云々ではまったくなく、ただのスラングなんですよね。アニメがたぶん15年くらい前だから、今の中学生はまったく知らないのかなぁ。高校生でも知らないか。うわー、なんか、怖すぎる。
先に挙げたミニスカートは森高千里さんの「私がオバさんになっても」で、コートの上からは広瀬香美さんの「ゲレンデがとけるほど恋したい」なんですけど、全く知らない世代もいるのか。
少し前にラジオ「東京ポッド許可局」でドラマ「北の国から」の話題があって、よく知らないけど、女の子が「私、(尾崎豊に)狂ってるの!」っていうシーンがあるっぽいんですが、これも例えば何かの会話の合間に「私、狂ってるの!」って挟むと、わかる人にはわかるジョークになる。なるけど、知らない人にはポカーンとしかならない。
それにしてもギャグ漫画のキャッチコピーがこんな歩き方をするとは、全く信じられない。もはや僕の世代ではないですが、ボンキュッボンもやはり何か、差別的な表現でダメなのか? 他にも「いかりや長介、頭はパー」も極端な発言で、口にしたら正気を疑われるのかな。もう何が何やら……。サザンオールスターズでもヤバい歌詞の曲が、というか、タイトルからしてヤバい曲があるけど、どうなっちゃうの?
全くの余談ですが、あれは、2010年くらいでしたが、桃井はるこさんのラジオかネット配信の番組で「サイリウムを指の間に挟んで四本持つのを「バルログ」と呼びたい」というリスナーからのメールが紹介されてたけど、その後に本当に「バルログ持ち」などと呼ばれるようになって驚いたこともある。バルログって今も存在するの? 今もステージの背景の金網にくっついたりできるんですか? ありえないことだけど、完全にゲームが消滅した後、この世のどこかに「バルログ持ち」というスラングだけが残っちゃったら、その遥か未来世界に生きる人たちが「そもそもバルログってなんだ?」って首を傾げたり、過去の文献を漁ったりするのかな。
もう笑うしかないけど、すごい世の中になった。
ついでに書いておくと「可愛いは正義」は好きなネットスラングなので、しぶとく生き延びて欲しい。
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