第189話 琴線、ってもう死語ですか?

 今回は音楽の話。

 まぁ、大した話題でもないのですが、なんとなく乃木坂46が面白いな、という気持ちから、いやいや日向坂46も悪くないぞ、という気持ちになった。そこでアルバム「ひなたざか」を確認していて、僕はAとCを持っていて、type-Cのシングルが連続するセトリはやっぱり良い、などと思いながら、不意に、けやき坂46の時も良かったのでは? と思い至った。

 前も書いた気がしますが、かなり前にアルバム「走り出す瞬間」のtype-Aを買っていて、欅坂46のアルバム「真っ白なものは汚したくなる」と重複する部分が多くて、満足はしてもそれほど、という気持ちがどこかにあった。本当はそこでけやき坂46は追わず、日向坂46になってからに注力する、となるはずが、いつかの「坂道テレビ」で流れたライブ映像が、予想外の事態を招きました。

 それは「ひらがなで恋したい」という曲が、実はすごく良いのではないか、という直感です。

 ということで、この曲が収録されているアルバム「走り出す瞬間」の通常盤を2021年の半ばくらいに押さえたのです。聞いてみて、もちろん、良かったし、他にも「こんな整列を誰がさせるのか?」とか「居心地悪く、大人になった」も名曲なんですが、何故かその瞬間は震えが小さかった。

 かれこれ数ヶ月が経過して、不意に「ひらがなで恋したい」ってあったな、とここ数日、鬼リピして聞いてるのですが、今までになくビリビリと心が震えるほど、感動している。これは名曲。琴線が震えるって、滅多に聞かなくなった表現だけど、まさに琴線が震えてます。ちなみにiPhoneが謎の「金銭が震える」という予測変換をしてますね。

 この曲のどこがいいかは、うーん、変にリアルというか、情景が浮かぶし、それよりも人間の心理が明確に描き出されていて、あるある! それそれ! って感じです。もちろん僕自身が学生時代にすごい恋愛をしたとかではないし、実際にはあるある! どころか皆無だし、それそれ! もどこ? え? どこ? という経験しかしていないのですが、どうしても、あるある! それそれ! という気持ちに辿り着く。

 これが創作の面白いところで、共感とか理解が、現実にないところから生じるわけで、この辺りの自分の中の虚構との共感が、変に槍玉に挙げられる突拍子もないラブコメ小説とかの始発点で、そう解釈するとすんなり腑に落ちる。

 しかし、僕の中に架空の学生生活と架空のクラスメイトがいるのは良いとしても、それに心震わせるのは、やや薄ら寒い気もする。

「ひらがなで恋したい」は名曲! とは強く主張したい!

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