第185話 生き急いでいる指標
今回は、生き急いでいるような? という話。
本当は別のことを書こうと思っていたのですが、ちょうどいいネタが出来たので、それをここへ書いておきます。
僕が生活している家にはインターネット回線は引いてありません。電話も黒電話です。建物は築百年くらいで、クーラーもありません。形だけの台所には、かまどが残っています。
なので、スマホだけが唯一のネットとの接点なのですが、すぐ速度制限になる。なるというか、させている。
それで何が起こるかというと、カクヨムを弄ろうにも、先へ進めなくなる。このエッセイを書こうと思ったのですが、ワークスペースのページから先へ進めないまま、十五分くらい本を読んで待ったけど、結局、進まなかったので一度、ページを消してからログインからやり直した。ログインするのも時間がかかる。
こんなことをしていると時間が無駄になるし、腹が立つけど、よく考えると十五年くらい前にパソコンでネットサーフィンすると、ページを開くのに時間が必ず必要だった。大昔はウィンドウの上の方から少しずつ画像が表示されていくのが当たり前だった気がする。YouTubeもパソコンの性能によっては再生より読み込みの方が遅くて、再生が停止したりした。もっと考えてみると、僕は八年くらい前にhpのノートパソコンの画面が壊れたので、iPhoneとの親和性を考えてMacBookに買い替えたのですが、MacBookを立ち上げたとき、あっという間にパスワードを入力する画面になって驚いた。前のパソコンは電源のボタンを押してから、うんうん唸って二分くらい待っていたのでは。
シームレスって表現がありますけど、何もかもがスムーズになるのは良いことだと思う。ただ、それがいきすぎて、ちょっと反応が鈍いことに苛立ったりしていると、いかにも、生き急いでいるな、と感じる。
大相撲観戦に行くと、十八時におおよそ終わるので、それからすぐそばの両国駅までは人がぎっしり並び、両国駅でも、僕の感覚だと、浅草橋方面へ向かうホームはだいぶ混雑する。もちろん、電車一本に全員が入れないのだけど、結構、無理矢理乗り込んでいく人がいる。体を押し付けていくのだけど、あれはなんて言うのだろう。嫌がらせだけど、パワーハラスメントだろうか。ともかく、電車は十分くらい待てば次が来るのだから、待てばいいようなものだといつも思う。生き急いでいる、とはこのことでは? まぁ、僕が体を触れ合わせたくないのと、電車が一時間に一本の田舎で育ったからかもしれない。
スマホを、即座に速度制限に意図的に持っていくのも、やや生き急いでいるかも、とも思ったりする。
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