第169話 イメージ戦略の幸不幸
今回は僕がラジオを聞いていて感じた「イメージ」の話。
かれこれ数年、「問わず語りの神田伯山」を聞いていて、この番組で藤田ニコルさんが神田伯山さんにけちょんけちょんに貶されまくったのですが、結果としては「藤田ニコルとは?」と僕は強烈な興味を惹かれて、藤田ニコルさんのラジオ番組を聞くようになりました。この件に関しては、神田伯山さんが藤田ニコルさんを貶したことは、変な現象により、プラスに働きました。
しかし、神田伯山さんがやはりラジオで、立川志らくさんをめちゃくちゃ貶した結果、藤田ニコルさんの時とは逆に、立川志らくさんの僕の中のイメージが悪化しすぎるほど悪化して、つい数日前、M-1に関する立川志らくさんのツイートを見て、うーむ……、となってしまった。
僕は神田伯山さんのラジオで聞くまで、藤田ニコルさんにも立川志らくさんにも興味がなかったので、名前も知らないような有り様でしたが、そこに投入された偏った情報に、明らかに僕の「イメージ」に引きずられている。
この二人の極端な評価の差は、あまりに極端が過ぎますが、イメージって他にもいろいろあろうと思う。僕の世代ではまだ心のどこかに、ユニクロは安いけど質が悪い、という昔のイメージがあったりするのでは。他にも、ネット通販で買い物すると商品が破損して送られてくるとか。
もっと素朴なところで、僕はここのところアイドルに熱をあげているのですが、乃木坂46の矢久保美緒さんがアシスタントをしている番組で、矢久保美緒さんが本当に爆笑すると、その笑い方が「カッ! カッ! カッ!」みたいになって、アイドルらしい笑い方じゃないんだけど、これはこれで逆に面白い。
笑い方はアイドルらしさというイメージを基準にして見る場合で、逆にラジオのイメージを基準にして周囲を見ると、遠藤さくらさんがラジオで笑っていた時、他の人が「さくちゃん、爆笑してる」というものの、遠藤さくらさんが笑っている笑い声そのものは聞こえない、という場面があったのが興味深い。声が出ないほど笑っているのか、抑え込んでるかは知らないけど、ラジオは音で伝えるのが原則なので、遠藤さくらさんらしいあの場面の爆笑は、ラジオ向きではなかった。ラジオの笑い方のイメージには当てはまらないというか。何はともあれ、ラジオを聞いていると、声から想像を膨らませるので、「カッ! カッ! カッ!」も(無音)もそれぞれでイメージして、映像が勝手に脳内に作られますけど、さて、それは現実にどれだけ近いだろう。
僕は本当の藤田ニコルさんも、立川志らくさんも、矢久保美緒さんも、遠藤さくらさんも、全くと言っていいほど知らないので、全てがイメージ、聞いた情報から人物像が立ち上がりますが、このイメージは然るべき手法や技法を駆使すれば如何様にも変えられて、実際の「その人」とはまるで違う人間を大勢の中に創作できるのかもなぁ。
何はともあれ、神田伯山さんのラジオは面白いけど、トークの毒が強すぎる。強すぎるけど、いつか、講談を聞きに行きたいなぁ。神田伯山さんの講釈が面白いかは、イメージの上では、間違いなく面白い!
イメージの上では……。
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