第167話 実証実験の怖さ
なんとなくテレビアニメで「鬼滅の刃」を見ているのですが、すごく気になることがある。
それは、「日輪刀」で「鬼の首を飛ばす」ことで、初めて「鬼を殺せる」となると、そこにどうやって辿り着いたのか、ということです。
適当に流し見してるので、鬼殺隊に伝わる鬼殺しの手法が連綿と受け継がれてきた、ということかもしれませんが、まず、「日輪刀」の原材料がおそらく特殊で、ただの刀ではない、のかな。それだと誰かが、「鬼を殺せる金属」を探したし、調べたことになる。次に鬼は「首を飛ばさないと死なない」ということも、やっぱり最初は不明で、調べていったと思われる。
そんなことを問い詰めても仕方ないのですが、この「鬼の殺し方」を模索して、発見するまでに様々な困難があったのでは。それが、例えば刀を何本も作るとかいう無機質な要素ではなく、怖いのは「どうやったら殺せるかわからない相手」に「効果がないかもしれない武器」で挑まないといけないこと。絶望しかないのでは……?
ちなみに鬼に対しても非情すぎる事態になる。「鬼の首を飛ばす」という形に辿り着くのが、実戦の中で試せれば良いですが、まさか実戦の中で、まず腕を飛ばして回復するか確かめて、腹をかっさばいて死ぬかどうか確かめて、などというわけにはいかない。それに鬼の弱点を探すとなると、効率と合理性から推測すると、鬼を何らかの方法で拘束し、どうしたら死ぬか、どうやったら殺せるか、試し続けたのでは無いか。これはちょっと、非倫理的、残酷すぎる。
早見沙織さんが演じる、胡蝶忍というキャラクターが、どうやら「首を刎ね」ずに、「毒で殺す」という闘い方をするっぽいのですが、こちらはこちらで怖い。鬼を相手にひたすら、この毒はどうかな? こっちの毒はどうかな? 効くかな? 効かないかな? みたいにひたすら試し続けたとしたら、マッドサイエンティストですが、まぁ、あながち間違った印象では無い、気もする……。
何事にも最初の段階があって、現代医学などでも、今では外科手術が当たり前になって、一般人は簡単に受け入れているけど、たぶん技術が確立されたのは最近だし、要素に分けていくと、実際の物理的な技術、手術に不可欠な消毒や麻酔、この二つだけでも一朝一夕に出来上がるものじゃない。薬学だって、どんな薬も誰かしらが人体実験のようにして試したはず。別の場面では、ラジウムを発見したキュリー夫人は、最終的には放射線被曝の影響で亡くなったと思われる。
技術の裏に非情とか残酷があるのは、なかなか受け入れ難いけど、怖いことにそれが無いと今がない。
ところでみなさん、こんにゃくは食べたこと、ありますよね。蒟蒻芋は見たことがありますか? 蒟蒻芋からこんにゃくが出来上がるまでの工程、結構、ユニークですよ。あと匂いがちょっと凄い。
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